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■「中央調査報(No.602)」より安倍政権期の内閣支持率と政党支持率

2.内閣支持率の推移
 では、具体的に安倍内閣支持率の推移を検討 しよう。図1には2006年10月から2007年9月ま での内閣支持率と政党支持率の推移を掲載してい る。過去の拙稿との比較のために無党派の比率は 「支持なし」と「わからない」を合算したものを用 いている(前田、2004年)。グラフを見ると一目瞭 然だが、安倍内閣支持率は07年4月から5月の 時期に一時的に回復したことを除くと、低下の一途 を辿っている。


図1


 詳細に見ると、内閣支持率が大きく低下する局面 が三度有ったことがわかる。最初に内閣支持率が 大きく下落したのは、11月調査(10〜13日)から 12月調査(7〜10日)にかけてだが、その間に起 きた大きな政治的出来事は郵政民営化法案に反旗 を翻し造反した議員の復党承認である(12月4日)。 造反議員の復党問題は既に9月の自民党総裁選 前後から燻っていたが、復党を最終的に容認したこ とで小泉改革路線からの変節を印象づけてしまった ことが9.5%の支持率下落につながったと思われる。
 12月下旬には相次いで本間政府税調会長と佐 田行革担当大臣が辞任したが、時事調査から見る 限り、内閣支持率への影響は小さかったように見え る。次に内閣支持率が顕著に低下するのは1月調 査(11〜14日)から2月調査(9〜12日)にか けてである。この時、支持率は5.8%低下している が、大きな影響を与えたと思われるのは、1月28 日に各紙が大きく報道した柳沢厚労相の「産む機 械」発言とそれを巡る安倍首相の対応であろう。
 安倍内閣の支持率は4月調査(12〜15日)か ら5月調査(10〜13日)にかけて回復軌道に乗 る。憲法改正の手続きを定めた国民投票法の成 立(5月14日)や、教育関連三法の衆議院通過(5月18日)、その他公務員制度改革についても法案 審議が行われるなど安倍首相が力を入れていた保 守色の強い政策が着実に導入されつつあったこと が支持率好転の契機だったようだ。
 ただし、これもつかの間の出来事であり、5月 調査では39.4%あった支持率が、6月調査(8〜11日)では28.8%へと10.6%下落した。5月下 旬には5千万件におよぶ宙に浮いた年金記録の存 在が大きく報じられ、かつ、5月28日には松岡農 林水産大臣が自殺している。1960年以降で同一 内閣の支持率が一月で10%以上低下したことは、 安倍内閣の例を含めても13回しかない。年金問 題と現職閣僚の自殺が極めて大きな政治的衝撃を 持ったことがわかる。発足時支持率歴代4位とい う数字と、その後の支持率低下の速度を考えるな らば、安倍内閣は1960年代以降で最も「期待は ずれ」の内閣であったと考えられる。




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