中央調査報

トップページ  >  中央調査報   >  「交通安全」に関する世論調査
■「中央調査報(No.638)」より

 ■ 「交通安全」に関する世論調査

 時事通信社では、2010年11月5日から14日にかけて、無作為に選んだ全国20歳以上の男女個人2,000人を対象に、「交通安全」に関する世論調査を実施した。 この調査は、調査員による面接聴取法により実施し、1,314人から回答を得た。


1.交通事故の発生件数と交通事故遭遇の不安
 交通事故の発生件数が「増えていると思う」と答えた人は32.0%、「どちらかといえば増えていると思う」と答えた人は33.9%で、これらを合わせた「増えている(計)」と思う人は65.8% を占めている。一方、「減っていると思う」は4.0%、「どちらかといえば減っていると思う」は17.7%で、合わせた「減っている(計)」と思う人は21.7%となっている。

図1

 次に、自分が交通事故にあうかもしれないと不安に思うことがあるか聞いた。不安に思うことが「かなりある」と答えた人は14.2%、「ときどきある」と答えた人は57.8%で、 これらを合わせた不安のある人は72.0%を占めている。一方、「まったくない」は4.2%、「あまりない」は23.3%で、これらを合わせた不安のない人は27.5%となっている。

図2

 都市規模別では東京、大阪などの20大都市で「交通事故の発生件数が増えていると思う」の割合は69.9%と最も高く、自分が「交通事故にあうかもしれないと不安に思う」割合も77.7% と最も高くなっている。
 性別では、「交通事故の発生件数が増えていると思う」と感じている人の割合は、男性が57.5%、女性が72.5%と女性で15ポイント高い。 「事故にあうかもしれない」不安感は女性(74.9%)の方が男性(68.3%)より高いが、差は7ポイントである。
 年代別では、「交通事故の発生件数が増えている」と感じている人の割合は20歳代で60.2%と最も低く、70歳以上で72.2%と最も高い。 また、「事故にあうかもしれない」不安感は20歳代(77.3%)、30歳代(79.1%)、50歳代(78.8%)で8割近くと高くなっている。一方、70歳以上では58.9%と低くなっている。

図3


2.交通事故遭遇またはヒヤリとした経験
 交通事故にあったこと、またはヒヤリとしたことが「ある」人は、全体の67.0%にあたる881人であった。 交通事故にあったとき、ヒヤリとしたときについて聞くと、「自動車に乗って(乗せてもらって)いるとき」が最も多く69.7%となっている。 以下、「自転車に乗って(乗せてもらって)いるとき」が29.5%、「歩いて(走って)いるとき」が25.5%、「バイクに乗って(乗せてもらって)いるとき」が9.0%となっている。

図4

 交通事故にあったとき、ヒヤリとしたときの相手について聞くと、「歩いて(走って)いるとき」「自転車に乗って(乗せてもらって)いるとき」 「バイクに乗って(乗せてもらって)いるとき」「自動車に乗って(乗せてもらって)いるとき」のいずれの場合も相手が「自動車」であった場合が最も多く7割を超えている。 次に多いのがいずれの場合も「自転車」で、特に「歩いて(走って)いるとき」は36.4%と高くなっている。

図5


3.交通事故防止のための対策
 交通事故を防止するために必要な対策としては、「飲酒運転などの違反に対する罰則を強化する」が最も多く52.1%となっている。 昨今の飲酒運転による悲惨な事故の多発を受けた社会の厳罰化の流れに一定の支持があると言える。 次いで、「信号の設置や歩道、ガードレールなどを整備する」45.8%、「「とまれ」や「横断歩道」など道路標識を見やすくする」45.3%といったハード面での対策が挙げられている。 以下、「警察による取締りを強化する」43.0%、「家庭や学校での交通安全教育を充実する」38.6%などとなっている。

図6

 上位3項目について性別に見ると、いずれも女性の方が割合が高くなっている。年代別では、3項目とも30歳代で最も高くなっている。 「飲酒運転などの違反に対する罰則を強化する」は30歳代、40歳代、60歳代、70歳以上で半数を超えている。

図7


(調査部 君島ゆかり)