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■「中央調査報(No.547)」より

 2003年「パーソナル先端商品の利用状況」結果概要

 当社が例年実施している、「パーソナル先端商品の利用状況」調査について、今年の結果を報告します。調査の概要は以下のとおりです。

1.調査地域 全 国
2.調査対象 20歳以上の男女個人
3.標本数 2,000人
4.調査方法 面接聴取法
5.調査時期 2003年3月7日~10日
6.有効回収数 1,382人(回収率69.1%)
7.調査内容 (1)各種商品の利用率(「あなた自身が持っているもの、または家にあって自分で使っているもの」)
(2)各種商品の利用意向率(「これから先、新たに利用したいもの」)
8.調査品目 (1)BS放送受信装置、(2)BSデジタル放送受信装置、(3)CS放送受信装置、(4)ケーブルテレビ、(5)液晶テレビ、(6)プラズマテレビ、(7)ビデオカメラ、(8)デジタルカメラ、(9)MDプレーヤー、(10)DVDプレーヤー、(11)ハードディスクレコーダー、(12)携帯メモリーオーディオ、(13)家庭用ゲーム機、(14)デスクトップ型パソコン、(15)ノート/ブック型パソコン(B5判以上)、(16)ミニノートパソコン(B5判未満)、(17)パソコン用プリンター、(18)スキャナー、(19)携帯型情報端末(PDA)、(20)インターネットの利用、(21)ブロードバンド回線の利用、(22)携帯電話(カメラ付き)、(23)携帯電話(カメラ付きを除く)、(24)PHS、(25)家庭用ファクシミリ


1.パソコンと周辺機器
 昨年まで順調に伸びてきたパソコンと周辺機器の利用率だが、今回の伸び率は小幅にとどまっている。デスクトップ型パソコンは28.9%(昨年比1.9ポイント増)、ノート型パソコンは19.1%(2.0ポイント増)、ミニノートパソコンは5.5%(0.4ポイント減)であり、これらを合わせたパソコン(計)の利用率は41.4%と4割を超えたものの、その伸び率(1.1ポイント増)は前回(5.8ポイント増)に比べてかなり落ち込んだ(図1)
 パソコン(計)の利用率を年代別みると(図2)、20~40代での利用率はいずれもほぼ6割(59.0~60.4%)で、5人中3人の割合。また、これら年代の今後の利用意向率も20.8~25.5%と依然かなり高い。
図1-2 

 その周辺機器等の利用率をみると、昨年大きく増加(7.6ポイント増)したパソコン用プリンターが31.5%と3割台に乗ったものの1.4ポイント増にとどまった。スキャナーは11.2%(3.4ポイント増)と1割台に乗った。他方、デジタルカメラは昨年に引き続き7.1ポイント増と、さらに大きく伸びて26.0%の利用率となり、特に、20代では41.1%と4割に及んでいる(図3)。インターネットの利用は昨年大幅(7.6ポイント増)に伸ばしたためか、今回1.3ポイントの増、利用率は30.2%だった。昨年から調査を開始したブロードバンド回線(ADSL、光ファイバー、CATV、無線LANなど)の利用率は12.3%と1割を超え、昨年比7.6ポイント増と大幅な伸びがみられた(図4、図5)
 利用意向率をみると、パソコン(計)は昨年より比率はやや低下したものの、15.4%と依然高い。デジタルカメラの利用意向率は11.0%と、引き続き昨年の水準を保持。インターネットのホームページ作成や、年賀状等への利用など多面的に活用できるため、今後、どの程度のスピードで普及していくのか期待される。インターネットの利用意向率は7.6%、ブロードバンド回線は6.8%といずれも高く、今後さらに普及する可能性を示している。
図3-4
図5

2.携帯電話、ファクシミリ
 携帯電話、家庭用ファクシミリの利用率をみると、携帯電話は61.5%と6割台、ファクシミリは30.1%と3割台を示したが、その伸び率は昨年までの順調さに比べるといずれも横ばいだった(図6、図7)。利用意向率については、家庭用ファクシミリはやや低いが、携帯電話は8.6%と一昨年の水準に戻している。携帯電話は20~40代ではすでに利用率が8割弱~9割台(78.8~93.5%)と大多数に普及しているが、“ヒット商品”といわれたカメラ付き携帯電話の開発が利用意向率を高めたと思われる。
 携帯電話のうち、カメラ付き機とカメラ付きを除く機の利用率の比は19.9%:45.9%で、およそ3:7の割合。この3割の中心にあるのは20代の若者とみられる。PHSの利用率は2.4%で、最高だった1998年(9.8%)の4分の1に低下しているが、最近のデータ通信の定額料金制の導入などで巻き返しを図っている。

図6
図7

3.AV関連機器、その他の利用状況
 BS放送受信装置の利用率は34.3%(4.1ポイント増)でかなりの伸びを示したが、BSデジタル受信装置は4.5%(1.3ポイント増)、CS放送受信装置も5.7%(1.2ポイント増)と、ともに微増だった。BSデジタル受信装置は一昨年から比較的高い利用意向率(7.6~12.7%)を示していたが、実際に利用するまでにはいたらず、伸び悩んでいる(図8~10)
 ケーブルテレビの利用率はやや増加(2.7ポイント増)して14.2%と1割台半ば(図11)に。ビデオカメラの利用率(31.3%)はここ数年3割程度で、横ばい傾向が続いている。ライフステージ(家族生活)との結びつきが強い商品なので、毎年一定層が利用をはじめ、一定層が使わなくなるといった状態に近いのかもしれない(図12)
 MDプレーヤーは小幅ながら順調に伸長し、3割近い利用率(28.7%)となっており、特に20代では6割近く(58.6%)を占める(図13)。パソコンのDVDドライブやゲーム機の機能も含めたDVDプレーヤーの利用率は昨年より5.2ポイント増の25.7%となり、利用意向率も7.2%と比較的高い水準にあり、今後の普及が期待される(図14)。今回新設したハードディスクレコーダーの利用率は1.9%だった(図15)。(調査部 阿高)▲


図8
図9-10
図11-12
図13-15