中央調査報

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■「中央調査報(No.548)」より

 「インターネットに関する世論調査」から


 時事通信社では毎年、「インターネットに関する世論調査」を実施している。今回の調査は4月10日から13日までの4日間、全国で20歳以上の男女2000人を対象に行われた。有効回答率は71.9%であった。この調査の中からインターネットの利用者に関する最新の動向をいくつか紹介していきたい。

1. インターネットの利用
 今回の調査において、「インターネットを利用している」と回答した人の割合は38.8%に上った。これまでの4回の調査を比較してみると、インターネットの利用者が確実に増加していることが分かる。2000年に実施された第一回の調査で同様に回答していた人は16.4%であったので、単純に比較すれば2倍以上の増加である(図1)
 また、利用の程度をより細かく見ると、「毎日利用している」と回答した人が最も多く、16.8%であった。第一回の調査で同様に回答したのは6.2%であったので3倍近く、増加したといえる。

図1

2. インターネットの利用時間
 次にインターネットを利用している人に、1週間当たりで平均してどれくらいの時間、ネットに接続していたか尋ねたところ、一番多かったのは「5時間未満」という回答で45.2%であった。ついで、「5時間以上10時間未満」が20.4%、「10時間以上20時間未満」が12.2%となっている。逆に「ほとんど利用しない」と回答した人は8.8%にとどまっている。
 「30時間以上」利用していると回答した人を地域別に見ると、14大都市では前回11.5%であったのだが、今回は6.2%にまで落ち込んでいる。次いで、「その他の市」が9.8%、「郡・町村」が5.9%となっている。

3. インターネットの利用目的
 インターネットの利用目的について複数回答を求めたところ、前回の調査と同様に「仕事や勉強のため」(54.8%、前回54.4%)、「趣味娯楽のため」(54.5%、同57.5%)と回答した人がそれぞれ5割を超えていた。次いで、「家族や友人らとのコミュニケーションのため」(33.0%、同32.3%)が3割台、「マスコミが提供するニュースの閲覧するため」(29.6%、同22.6%)が2割台であった(図2)
性別に見ていくと、男性では「仕事や勉強のため」(66.0%)を挙げる人が最も多く、次いで「趣味・娯楽のため」(49.8%)となっている。一方、女性は「趣味・娯楽のため」(60.8%)を挙げている人が最も多く、次いで「家族や友人らとのコミュニケーションのため」(41.4%)となっている。男性は仕事・勉強など“実用面”から、逆に女性は“遊び心”からインターネットを利用するという傾向が見て取れるようだ。

図2


4. 電子メールの利用やホームページの開設
 インターネットを利用している人へ電子メールの利用やホームページの開設について質問したところ、「電子メールを利用し、自分自身のホームページも開設している」と回答した積極的な利用者は10.2%であった。前々回は9.1%、前回は8.2%であった。
 また年齢別に見ると、このように回答した人たちは50代(12.0%、前回8.3%)、30代(11.5%、同11.8%)、20代(11.1%、同8.5%)に多かった。

5. 今後のインターネットの利用意向
次に、これまでインターネットを「利用していない」と回答した人に今後の利用意向を尋ねたところ、「利用したい」と回答した人は37.3%であった。逆に、今後も「利用したくない」と回答した人は58.9%であった。年齢別に見ると、「利用したい」と回答した人が過半数を上回ったのは20代(61.5% )、30代(65.8%)、40代(57.8%)であった。

6. インターネットに対する不満
 インターネットに対してどんな不満があるか複数回答で尋ねてみたところ、「専門用語が多くて分かりにくい」(22.5%)と回答した人が最も多かった。ついで「接続料金などが高い」(21.9%)、「接続するためのパソコン機器などの操作が難しい」(18.1%)、「不要なダイレクトメールが多い」(16.8%)となっている(図3)
図3

7. 最後に
 インターネットは確実に我々の生活の一部になりつつある。近い将来、インターネットなしでは生活できない、そんな時代が到来するかもしれない。インターネットを利用することで我々は膨大な情報に接することが可能となる。だからこそ、これからは利用者の側の情報選択能力が問われることになる。今後とも、いろいろな角度からインターネットに関する動向を分析し続ける必要があるだろう。

(調査部 穴澤 大敬)