中央調査報

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■「中央調査報(No.560)」より

 「第12回人気スポーツ調査」

 中央調査社では、5月7日から10日にかけて、毎年恒例の「第12回人気スポーツ調査」を実施した。本調査は、無作為に選んだ全国の20歳以上の男女2,000人を対象に個別面接聴取法により実施し、1,438人から回答を得た(回収率71.9%)。
 今回の調査内容は、
 1.最も好きなスポーツ選手
 2.好きなプロスポーツ
 3.好きな現役力士
 4.一番好きなプロ野球チーム
 5.一番好きなJ1のサッカーチーム
 6.アメリカの大リーグの試合観戦意向
 7.日本人選手の大リーグ移籍による日本のプロ野球の衰退
 8.アテネ夏季オリンピックの観戦意向
 9.日本選手団のメダル獲得予想数
であり、1番から4番までは継続調査項目、5番から9番は今回のトピックス項目である。

1.最も好きなスポーツ選手
 初めに、「最も好きなスポーツ選手」1名を自由回答で挙げてもらったところ、ヤンキースの「松井」が2年連続で1位になったが、比率は若干低下した(22.3%→18.6%)。2位には「長嶋(8.9%)」、3位には「イチロー(8.5%)」と順位が入れ替わったが、この元プロ野球選手3人は、4年連続で上位3位までを占めている。
 「最も好きなスポーツ選手」を現役のプロ野球の選手に限って見ると「清原」の5位が最高で(2.8%)、以下、10位の「高橋由伸(1.9%)」、12位の「新庄(1.7%)」などとなっている。
 野球選手以外では、サッカーの「中田」が5年連続で4位(4.0%)、大相撲の「貴乃花」が昨年に続き6位(2.7%)、柔道の「谷(田村)亮子」が7位(2.6%)、マラソンの「高橋尚子」が9位(2.0%)などとなっている。
 初登場組では、ニューヨーク・メッツに移籍した「松井稼頭央」が13位(1.6%)、大相撲の「高見盛」が16位(1.0%)、巨人の「阿部慎之助」が同率で16位だった。

最も好きなスポーツ選手(上位20位)

2.好きなプロスポーツ
 次に「好きなプロスポーツ」について複数回答で答えてもらったところ、「プロ野球」が54.4%で1位を守ったが、5%以上減少した(60.0%→54.4%)。
 2位以下の順位は昨年と全く同じだが、選択肢のプロスポーツすべての比率が減少し、好きなプロスポーツが「どれもない」と答えた人は5%以上増加している。



3.好きな現役力士
 大相撲で「好きな現役力士」を3人まで自由回答で挙げてもらったところ、1位は2年連続で横綱「朝青龍」、2位には昨年8位だった「高見盛」が大幅に比率を増やした(4.3%→15.6%)。
 3位には昨年2位の「千代大海」、4位には昨年3位だった「魁皇」。新しくランクインした力士は、12位「朝赤龍」、15位「垣添」、16位「旭天鵬」。
 昨年初めて50%を超えた「一人も浮かばない」はさらに微増(51.9%→53.1%)となり、低下傾向に歯止めがかかっていない。

4.一番好きなプロ野球チーム
 「一番好きなプロ野球チーム」は、例年どおり「巨人」が1位となったものの、その比率は6%近く減少した(38.9%→33.0%)。「阪神」は、昨年の比率とほとんど変わらず2位を維持(16.1%)。3位の「中日」、4位の「ダイエー」は微増傾向。
 9位の「日本ハム」は北海道・東北で3位(5.1%)となり、札幌移転の効果が徐々に現れている。
 リーグ別小計では「セ・リーグ」が減少し(68.0→61.8%)、「パ・リーグ(26.2→29.2%)」と「(好きなプロ野球チームは)どれもない(5.7→9.0%)」がそれぞれ増加している。

一番好きなプロ野球チーム

5.一番好きなJ1のサッカーチーム
 1位から順番に「ジュビロ磐田」、「鹿島アントラーズ」、「浦和レッズ」、「横浜F・マリノス」など、全国的に知名度が浸透しつつあるチームが上位を占めている。
 また、地区別に見ると、関東・京浜で「浦和レッズ」、北陸・甲信越で「アルビレックス新潟」、東海で「名古屋グランパス」、近畿・阪神で「ガンバ大阪」、中国で「サンフレッチェ広島」など、地元での人気の高いチームも見られる。
 しかし、好きなJ1チームが「どれもない」と答えた人が、約3分の2(66.2%)となっている。

6.アメリカ大リーグの試合観戦意向
 アメリカ大リーグの試合観戦意向を選んでもらったところ、「アメリカの球場に行って観戦したい」が18.8%、「テレビ中継で試合を見たい」も22.3%と、昨年よりも下がったものの4割以上の人が大リーグの試合を見たいと答えている。
 「アメリカの球場に行って観戦したい」「テレビ中継で試合を見たい」に「テレビのニュース等で見ればよい」を合わせた「大リーグ関心層」は、男性で8割近く、男性の30代・40代では8割を超えている。
 また、「大リーグ関心層」の問2「好きなプロスポーツ」での回答を見てみると、「プロサッカー」「プロゴルフ」「プロレス」「プロボクシング」の順で8割を超え、「プロ野球」でも8割に近い。

7.日本人選手の大リーグ移籍による日本のプロ野球の衰退
 プロ野球の優秀な日本人選手が毎年大リーグへ移籍することと日本のプロ野球の今後について聞いたところ、「大リーグへの転出、移籍が続くようなら、日本のプロ野球は衰退する」と答えた人が20.9%、「日本に新たな素晴らしい選手が誕生するので、心配することない」と答えた人が65.8%、「わからない」と答えた人が13.4%だった。

8.アテネ夏季オリンピックの観戦意向
 今年8月に開催されるアテネ夏季オリンピックの観戦意向について聞いたところ、「アテネの競技場まで行って観戦したい」と答えた人が7.7%、「テレビ中継で競技を見たい」と答えた人が64.0%、テレビのニュースや新聞などで見ればよい」と答えた人は17.3%だった。これらを合わせた「オリンピック関心層」は、9割近くに上っている。
 問6の「アメリカ大リーグの試合観戦意向」と比べると、「テレビ中継で競技を見たい」と答えた人が非常に多くなっている。

9.日本選手団のメダル獲得予想数
 アテネ夏季オリンピックでの日本選手団のメダル獲得予想数を選んでもらったところ、前回のシドニーオリンピック並みの「15~19個」と答えた人が27.1%、「10~14個」が25.1%、「20~24個」が16.0%、「5~9個」が10.2%という順番となっている。

10.おわりに
 今回の結果から、個別のスポーツやチーム・選手への支持・関心が若干弱まっているように思われる。日本スポーツの人気維持・発展のため、新しい現役スター選手の出現が望まれる。
(調査部 木庭 雄一)