中央調査報

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■「中央調査報(No.586)」より

 喫煙に関する世論調査


 時事通信社では、2006年6月9日から12日にかけて、無作為に選んだ全国20歳以上の男女2,000人を対象に「喫煙に関する世論調査」を実施した。この調査は、調査員による個別面接聴取法で行い、1,348人から回答を得た。調査は、1978年、1983年及び1987年以降は毎年調査を行っており、今回で20回目となる。(なお、調査は7月1日のたばこ値上げ前に行われた。)


1.喫煙率

 日ごろ、たばこを吸うかどうかを尋ねたところ、「吸わない」と答えた非喫煙者の割合は71.5%であった。最近5年間をみると、非喫煙者の割合は70%前後で推移しており、大きな変動はみられない。

図1


 一方、たばこを吸う人には、1日に吸う本数を聞いた。「10~19本以下」(12.1%)と「20~29本以下」(9.7%)がそれぞれ10%前後を占め、「9本以下」は3.8%、「30本以上」は2.9%となっている。

図2


 非喫煙者の割合を性別にみると、男性が56.4%、女性が86.5%と30ポイントの差がみられる。年代別にみると、20歳代から40歳代では60%台の非喫煙率となっているのに対し、50歳代では72.5%に上昇し、60歳以上では81.4%と更に高くなっている。

図3



2.禁煙・節煙意向

 たばこを吸う人に、いずれやめるつもりがあるかどうかを質問した。「いずれやめようと思っている」が40.4%となり、前回’05年(33.8%)、前々回’04年(33.2%)と比べ増加した。’03年調査では、38.9%と今回調査と同じ程度の割合となっているが、これは’03年7月1日のたばこの値上げと関連していると思われる。「やめないが本数を減らす」は24.2%で、この5年間大きな増減はみられない。
 一方、「やめるつもりはない」は31.5%で、前回’05年(38.1%)、前々回’04年(41.9%)と比べ減少した。

図4


 「いずれやめようと思っている」は性別にみると、男性39.9%、女性41.8%と差がない。「やめないが本数を減らす」は男性(22.5%)より女性(29.7%)に多く、「やめるつもりはない」は女性(19.8%)より男性(35.2%)に多い。
 年代別にみると、「いずれやめようと思っている」は20歳代で50.0%、30歳代で45.1%と多く、50歳代で30.7%、60歳以上で37.0%と少ない。反対に、「やめるつもりはない」は50歳代で38.7%、60歳以上で37.0%と多く、40歳代以下、年齢が下がるほど割合も低くなっている。

図5



3.他人のたばこの煙に迷惑を感じた経験

 日ごろ、他人が吸うたばこの煙に迷惑を感じたことがあるかを尋ねたところ、「ある」と答えた人の割合が66.5%で、「ない」と答えた人(33.5%)の約2倍を占める。最近5年間をみると、迷惑を感じたことがある人の割合は60%台後半で推移しており、ほとんど変化はみられない。

図6


 迷惑を感じたことがある人の割合を性別にみると、男性が55.5%、女性が77.4%と22ポイントの差がみられる。年代別にみると、60歳以上が59.4%と最も少なく、年代が低くなるに従って割合が高くなり、20歳代では72.4%となっている。

図7



4.迷惑だと感じる場所

 迷惑を感じたことが「ある」と答えた人に、特に迷惑だと感じる場所を2つ答えてもらった。
 最も多かったのは’05年と同様「レストラン・喫茶店」で、45.4%であった。
 以下、「街頭」31.5%、「駅構内やバス停」25.2%、「職場」22.3%、「家庭」13.2%、「病院」11.0%、「列車」9.6%、「学校」1.6%となっている。’05年と比べると、「列車」の割合が7ポイント減少した。

図7



(調査部 君島ゆかり)