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■「中央調査報(No.594)」より

「生活のゆとり」に関する世論調査


 時事通信社では、2007年 2月 9日から 12日にかけて、無作為に選んだ全国20歳以上の男女個人 2,000人を対象に、「生活のゆとり」に関する世論調査を実施した。この調査は、調査員による面接聴取法により実施し、1,325人から回答を得た。前回調査は昨年 2月に実施されている。


1. 生活にゆとりを感じているか
 生活全体にゆとりを「感じている」と答えた人は 7.3%、「どちらかといえば感じている」と答えた人は 36.3%で、合わせた“ゆとり実感派”は 43.6%と 4割強となっている。一方、「感じていない」は 21.1%、「どちらかといえば感じていない」は 33.2%で、合わせた“ゆとり非実感派”は 54.3%と過半数を占める。
 前回と比べると、“ゆとり非実感派”の微増となったが、なかでも「感じていない」とする人の割合が 5ポイントの増加となっている。


図1


 “ゆとり実感派”の割合は、都市規模別では東京、大阪などの16大都市で 45.6%、その他の市で 44.2%、郡・町村で 36.2%となり、都市部ほど高くなっている。
 性別では、男性が 41.7%、女性が 45.5%となり、女性でやや高い。
 年代別では、60歳以上で 52.5%と過半数を占め、次いで 20歳代で 48.1%と半数近い。一方、30歳代では 32.7%と“ゆとり実感派”は 3人に1人の割合にとどまり、40歳代(39.9%)、50歳代(40.7%)では約 4割となっている。


図2


 次に、全体の 54.3%を占める“ゆとり非実感派”の人に、ゆとりを感じていない理由を聞いたところ、「収入が少なく自由に使えるお金があまりない」が最も多く 55.3%であった。以下、「老後への備えが十分でない」が 37.9%、「貯蓄が少ない」が 37.8%、「年金や保険など社会保障費の負担が大きい」が 33.6%、「税の負担が大きい」が 31.1%と、上位には金銭面での理由が挙げられた。金銭面での理由としては、このほか、「子供の教育にお金がかかる」 24.2%、「住宅ローンの負担が大きい」 14.9%などもあげられている。
 また、「仕事が忙しい」も 25.0%と 4人に1人が挙げている。


図3


2.ゆとりを感じる上で大切な要素
 次に、ゆとりを感じる上で大切な要素は何かを聞いた。「お金」が 77.1%、「健康」が 76.3%と多く、「時間」も 55.5%と過半数の人が挙げた。以下、「仕事」22.2%、「自分自身の価値観」15.0%、「住まい」10.8%、「地域の環境」10.3%、「会社の施設や制度」2.6%となっている。


図4

 年代別にみると、「お金」は 20歳代(80.6%)、30歳代(81.9%)、50歳代(80.0%)で8割を超え、1位に挙げられている。2位に挙げられた 40歳代(74.6%)と 60歳以上(72.6%)でも7割を超えている。
 「健康」は 20歳代(57.4%)、30歳代(66.9%)、40歳代(77.0%)と年代が上がるにつれ、比率も高くなっている。50歳代は 74.6%と 40歳代よりやや比率が下がるが、60歳以上は 88.2%に達している。
 「時間」は 30歳代(70.1%)で最も高く、それ以降は年代が上がるにつれて比率は低くなっている。
 以上のように、「お金」は全年代を通じて高い比率となっているが、「時間」は 40歳代以下で高く、「健康」は年代が高いほど比率も高くなり、年代によってゆとりを感じる要素が異なっていることがわかる。


図5


3.家庭生活におけるゆとりのある過ごし方
 家庭生活におけるゆとりのある過ごし方については、「家族が一緒に食事をするなどの一家団らん」が最も多く 61.5%、次いで、「家族が一緒にレジャーや買い物に行く」52.3%、「スポーツを楽しんだり趣味に打ち込む」52.1%を5割以上の人が挙げている。以下、「知人・友人宅に出向いたり自宅に招待する」32.2%、「好きなテレビやビデオを見る」32.1%、「何もしないでのんびりとくつろぐ」29.4%、「読書する(新聞や雑誌を含む)」25.0%などとなっている。


図6


 年代別にみると、20歳代では「スポーツ・趣味」が1位に挙げられているが、30歳代以上の年代では「一家団らん」が1位に挙げられている。特に、30歳代(72.8%)、40歳代(71.4%)で高くなっている。「家族でレジャー」は 30歳代(68.1%)で最も高く、年代とともに比率は低くなっている。


図7

(調査部 君島 ゆかり)