中央調査報

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■「中央調査報(No.597)」より

内閣府調査にみる調査不能理由(「一時不在」「拒否」)の推移


 調査不能は年々増加しているが、調査不能の大半は「一時不在」と「拒否」が占めている。
 「一時不在」は人々の生活時間の拡がり、行動の多様化を背景とした「会いにくさ」の増加によるものであり、以前は都市部での傾向と考えられていたものが、今では、全国的な傾向となっている。「拒否」は調査擬似的な訪問販売やオレオレ詐欺などの社会不安が背景にある。これに、2005年 4月の個人情報保護法の施行以降、プライバシー意識の過剰ともいえる反応、国勢調査でのニセ調査員問題が加わり、拒否されるケースが急増している。オートロックマンションの増加なども、これに輪をかけている。
 「一時不在」「拒否」がどのように変化しているかを、内閣府が毎年行なっている全国 10000サンプル調査の昭和50年からのデータをもとにその推移をまとめてみた(調査は平成10年・12年以外は「国民生活に関する世論調査」、平成10年・12年は「社会意識に関する調査」)。


  調査不能理由の推移(昭和50年~平成18年)


 調査不能理由のうち次のような場合を「一時不在」「拒否」としている。

一時不在…調査期間中に帰宅はするが、外出がちとか深夜帰宅のため、どうしても会え
     なかったもの。

拒  否…対象者本人に会えても調査への協力が得られなかったもの。「忙しい」
     「面倒くさい」など比較的単純な理由から、プライバシーを理由に調査に
     応じないものまでさまざまである。目的・理由のいかんにかかわらず調査・
     アンケート類は一切受け付けないというケースもある。対象者本人の拒否
     ばかりでなく、家族などからの拒否や、協力依頼状の受取拒否なども含ま
     れる。



「一時不在」「拒否」の推移(昭和50年~平成18年)
① 昭和50~59年:
「拒否」の割合は3.4%~6.1%であり、平均は4.5%となる。一方、「一時不在」の割合は6.8%~8.6%であり、平均は7.5%となる。50年代の調査不能理由は「拒否」よりもむしろ「一時不在」の方が多かった。

② 昭和60~平成 8年:
「拒否」は50年代後半から増加傾向を示しはじめ、60年にはいると、「拒否」の割合(7.6%~10.5%)は「一時不在」(7.3%~10.1%)とほぼ同水準で推移していく。

③ 平成 9年~平成17年:
「拒否」の割合は10%を上回り、15年以降は「一時不在」に差をつけはじめた。また、「拒否」と「一時不在」を合わせた割合が2割以上(21.2%~25.3%)を占めるようになった。

④ 平成18年:
「拒否」は17年の13.1%から16.4%と急増し、「一時不在」(12.4%)との差が拡がった。「拒否」と「一時不在」を合わせた割合が3割近く(28.8%)を占める。