中央調査報

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■「中央調査報(No.599)」より

食の安全に関する世論調査


 中央調査社は、「食の安全」に関する全国意識調査を実施しました。調査は、8月3日から12日にかけて、無作為に選んだ全国の20歳以上の男女個人を対象に個別面接聴取法で行い、1,286人から回答を得ました。主な調査結果は以下のとおりです。


1.食品の安全性への不安感 -4人に3人(76%)が不安感を抱く-
 日頃、食品の安全性について不安を感じているかきいたところ、「非常に不安である」が 24.0%、「やや不安である」が 52.0%で、4人に3人(76.0%)の人が不安を感じている。性別にみると、男性が 66.2%であるのに対し女性が 84.3%で、男性に比べ女性の方が食品の安全性に敏感であるといえる。



図1


2. 食品の安全性に不安を感じること
  -「生産地・原産地(国産か輸入品かなど)に関すること」がトップ-
 不安を感じる点として、最も多かったのは「生産地・原産地(国産か輸入品かなど)に関すること」62.1%で、次いで「保存料、着色料などの食品添加物」57.3%、「(残留)農薬」57.2%、「加工時の食品衛生、品質管理」54.8%が上位を占める。以下、「食品表示」49.2%、「遺伝子組み換え食品」31.8%と「BSE(狂牛病)」31.1%が3割などと続く。


図2


3.輸入食品への不安感 -9割弱の人が不安感を抱いている-
 輸入食品について不安を感じるかきいたところ、「非常に不安である」が 42.3%、「やや不安である」が 44.6%と『不安を感じる』人が9割弱を占め、輸入食品への不安が強いことがわかる。
 一方、「あまり不安ではない」は 10.1%、「まったく不安ではない」はわずか 1.9%で、『不安ではない』と思っている人は1割程度であった。



図3


4.生産地や生産国を意識して購入する食品
  -「肉類」「野菜」「魚介類」生鮮食料品が上位-

 生産地や生産国を意識して購入する食品としては、「肉類」68.0%が最も多く、BSE問題の影響をうかがわせる。その他、5割以上の回答があったのは、「野菜」56.0%、「魚介類」50.6%で生鮮食料品が上位を占める。



図4


5.食品の安全性の保証についての信頼度
  -「農家」は8割以上が『信頼できる』。
   一方、「輸入業者」「外食産業」には大半の人が不信-

 食品の安全性の保証について、組織や人がどの程度信頼できると思うかをたずねた。「信頼できる」と「どちらかといえば信頼できる」を合わせた信頼感は、「(個々の)農家」が8割を超え最も高い。次いで、「生産者団体(農協など)」75.0%、「消費者団体(生協など)」72.4%が7割以上であるが、「販売者(商店、スーパーなど)」58.1%、「食品メーカー」57.2%は5割台に下がる。「どちらかといえば信頼できない」と「信頼できない」を合わせた『信頼できない(計)』が過半数を占めたのは、「政府や役所」53.2%、「外食産業」59.6%、「輸入業者」75.9%で、特に「輸入業者」に対する信頼度は極めて低い。



図5



(調査の設計・方法など)
(1)調査地域: 全国
(2)調査対象: 満20歳以上の男女個人
(3)標本数:4,000
(4)抽出方法: 層化三段無作為抽出法
(5)調査方法: 調査員による個別面接聴取法
(6)調査時期: 2007年8月3日~12日
(7)有効回収数: 1,286