中央調査報

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■「中央調査報(No.610)」より

喫煙に関する世論調査


 時事通信社では、2008年6月6日から9日にかけて、無作為に選んだ全国20歳以上の男女2,000人を対象に「喫煙に関する世論調査」を実施した。この調査は、調査員による個別面接聴取法で行い、1,328人から回答を得た。調査は、1978年、1983年及び1987年以降は毎年調査を行っており、今回で22回目となる。


1.喫煙率
 日ごろ、たばこを吸うかどうかを尋ねたところ、「吸わない」と答えた人の割合は71.5%であった。最近5年間をみると、非喫煙者の割合は70%前後で推移しており、大きな変動はみられない。

図1

 一方、たばこを吸う人には、1日に吸う本数を聞いた。「9本以下」3.5%、「10~19本以下」12.2%、「20~29 本以下」9.6%、「30本以上」3.2%となっている。

図2

 非喫煙者の割合を性別にみると、男性が57.5%、女性が85.7%と30ポイント近い差がみられる。年代別にみると、20歳代から50歳代では60%台の非喫煙率となっているのに対し、60歳以上では81.7%に達する。

図3


2.禁煙・節煙意向
 たばこを吸う人に、いずれやめるつもりがあるかどうかを質問した。「いずれやめようと思っている」が42.5%となり、前回’07年(38.3%)、前々回’06年(40.4%)と比べ増加し、最近5年間で最も多くなっている。「やめないが本数を減らす」は23.5%で、この5年間大きな増減はみられない。
 一方、「やめるつもりはない」は33.0%で、前回’07年(36.3%)と比べ減少している。

図4

 「いずれやめようと思っている」は性別にみると、男性37.5%に対し、女性57.4%と20ポイントの差があり、女性は前回調査の47.8%より10ポイント近く増加した。「やめないが本数を減らす」(男性24.9%、女性19.1%)、「やめるつもりはない」(男性36.1%、女性23.4%)といずれも男性の方が多くなっている。
 年代別にみると、「いずれやめようと思っている」は40歳代では50%台となっているのに対し、60歳以上では30.0%と少なくなっている。「やめるつもりはない」は20歳代で33.9%、50歳代で34.9%、60歳以上で35.6%と多く、30歳代(29.1%)、40歳代(30.8%)で少なくなっている。

図5


3.他人のたばこの煙に迷惑を感じた経験
 日ごろ、他人が吸うたばこの煙に迷惑を感じたことがあるかを尋ねたところ、「ある」と答えた人の割合が63.9%で、「ない」と答えた人は36.1%であった。「ある」と答えた人の割合は前回調査の69.0%より5.1ポイント減少し、最近5年間で最も少なくなっている。

図6

 迷惑を感じたことがある人の割合を性別にみると、男性が55.5%、女性が72.5%と17ポイントの差がみられる。年代別にみると、60歳以上が58.7%と最も少なく、30歳代、40歳代で7割を超え多くなっている。

図7


4.迷惑だと感じる場所
 迷惑を感じたことが「ある」と答えた人に、特に迷惑だと感じる場所を2つ答えてもらった。
 最も多かったのは’07年同様「レストラン・喫茶店」(50.5%)で半数を超えた。
 以下、「街頭」31.3 %、「駅構内やバス停」25.1%、「職場」19.1%、「家庭」12.4%、「病院」10.7%、「列車」9.9%、「学校」1.9%となっている。’07年と比べると、「病院」の割合が4ポイント、「列車」の割合が5ポイント近く減少した。
 性別にみると、「職場」(男性21.5%、女性17.2%)は男性の方が多くなっている。「レストラン・喫茶店」(男性48.9%、女性51.8%)、「街頭」(男性30.4%、女性32.1%)、「駅構内やバス停」(男性24.7%、女性25.4%)、「家庭」(男性6.5%、女性17.0%)と女性の方が多くなっている。

図8

 年代別にみると、「レストラン・喫茶店」は30歳代から50歳代で半数以上、「街頭」は30歳代以下の年代で4割強を占めるなど、年齢の低い層で高くなっている。一方、「家庭」、「列車」は年齢の高い層で高くなっている。

表1

(調査部 浜田江里子)