中央調査報

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■「中央調査報(No.631)」より

 ■ 第2回 「メディアに関する全国世論調査」(2009年)結果の概要

財団法人 新聞通信調査会 

 公益財団法人新聞通信調査会(理事長 長谷川 和明)は、2009年9月に「第2回メディアに関する全国世論調査(2009年)」を実施しました。調査は、無作為に選んだ全国の18歳以上の5,000人を対象に訪問留置法で行い、3,490人から回答を得ました。調査実施は(社)中央調査社。調査結果の概要は以下の通りです。

1.新聞を読んでいる人
-昨年に比べ、夕刊離れが進む-
  • 朝刊を読んでいる人は84.0%と8割を超え、朝刊が日常生活に浸透していることがわかる。内訳を見ると、「毎日またはほぼ毎日」読んでいる人(64.1%)が6割を超えている。「毎日またはほぼ毎日」読んでいる人は年代が上がるほど増加し、50代では7割台(75.4%)、60代以上では8割(82.2%、82.9%)を超えている。
  • 夕刊を読む人は33.6%で、そのうち「毎日またはほぼ毎日」読んでいる人は23.1%と4人に1人の割合にとどまっている。また、地域によっては夕刊を廃止していることもあり、夕刊を読んでいない人(56.6%)は半数を超えている。
  • 昨年実施した第1回調査(2008年12月、サンプル数3,000)と比較すると、朝刊は変わらないものの、夕刊離れが進んでいる。

図1-1、図1-2


図1-3、図1-4


2.新聞を読む時間は?(朝刊や夕刊を読んでいる人に)(全体の84.4%)
-昨年に比べ、平均時間はいずれの年代でも減少-
  • 新聞を読む時間は、1日平均で27.2分である。
  • 年代別に見ると、年代が下がるほど、新聞を読む時間が少なくなる。30代以下では、1日に新聞を読む時間は平均10分台と短く、特に20代以下では、全体平均よりも10分以上短くなっている。若い年代での新聞離れが見てとれる。
  • 昨年に比べ、平均時間はいずれの年代でも短くなっている。

図2-1、図2-2


3.新聞を読む理由は?(朝刊や夕刊を読んでいる人に)(全体の84.4%)
-新聞を読むことは生活の一部-
  • 新聞を読む理由としては、「新聞を読むのが習慣になっている」(51.6%)をあげる人が半数を超え、最も多い。次いで、「新聞で世間の動きがだいたいわかる」(47.8%)、「新聞は自分が好きなときに読める」(45.6%)をあげる人が多い。
  • 年代別に見ると、「新聞を読むのが習慣になっている」は年代が上がるほど増加し、60代(66.6%)がピーク。一方、20代以下では2割(22.9%、21.2%)にとどまる。「新聞は自分が好きなときに読める」は20代以下では、新聞を読む理由として最も多くあげられており、新聞の手軽さが多様な生活スタイルをとる若い世代にとって、利点となっていることがうかがえる

図3-1、図3-2


4.新聞を読まない理由は?(朝刊や夕刊を「読まない」と答えた人に)(全体の15.2%)
-他のメディアとの競合が大きい-
  • 新聞を読まない理由としては、「テレビやインターネットなど他の情報で十分だから」(65.2%)をあげる人が6割を超え、最も多い。次いで、「新聞を取っていないから」(39.5%)と「新聞は高いから( お金がかかるから)」(30.5%)をあげる人がそれぞれ3割を超えている。新聞以外のメディアへの接触が新聞離れの大きな要因となっていることがうかがえる。
  • 年代別に見ると、「テレビやインターネットなど他の情報で十分だから」をあげる人は70代以上を除き6~7割(59.0~69.4%)を占め、最も大きな理由となっている。また、30代でのみ、これに次いで「新聞は高いから(お金がかかるから)」(42.9%)と金額面をあげる人が多くなっている。

図4-1、図4-2


図4-3


5.大きな事件・事故のニュースの入手先は?
-テレビ、新聞が中心-
  • 大きな事件・事故の発生や、政治・経済の大きなニュースの情報を得ている媒体については、「民放テレビ」(73.2%)をあげる人が最も多い。次いで「NHKテレビ」(66.1%)、「新聞」(64.5%)となっており、テレビ、新聞が中心であることがわかる。
  • 「民放テレビ」は40代以下では8割前後(76.6~81.6%)を占め、最も多い。50代では「民放テレビ」「NHKテレビ」「新聞」が僅差で並んでいる。「NHKテレビ」と「新聞」はともに年代が上がるほど増加する傾向にある。60代以上では7~8割であるのに対し、20代以下では3~4割と、年代による差が大きい。「インターネット(パソコン)」も年代差が大きいが、20代(47.7%)をピークに、年代が上がるほど少なくなっており、70代以上では1割(3.8%)を大きく下回っている。

図5-1、図5-2


6.夕刊の発行をどう思う?
-若い世代で夕刊離れが大きい-
  • 夕刊の発行については、「ぜひ続けてほしい」は12.1%、「できれば続けてほしい」は10.9%であり、両者を合わせた『続けてほしい』人は23.0%である。一方、「なくてもよい」は35.6%である。夕刊の発行を続けてほしいという層は2割台前半にとどまり、夕刊の発行への要望は必ずしも強いとは言えない。
  • 年代別に見ると、夕刊の発行を続けてほしい人は、最も多い70代以上であっても3割程度(31.5%)である。30代以下では2割(15.8%~19.7%)を切っている。どの世代においても、夕刊はなくてもよいと考える人が多い傾向にあるが、特にインターネットなどの利用率が高い若い世代で夕刊離れが大きい。

図6-1、図6-2


7.新聞社のウェブサイトを見る?
-見ている人は4人に1人の割合-
  • 新聞社のウェブサイトを見ている人は27.0%で、4人に1人の割合である。閲覧の方法は「自宅のパソコンで見る」(57.6%)が半数を超える。「職場や学校などのパソコンで見る」「携帯電話などで見る」はともに3割程度(32.4%、31.1%)となっており、リアルタイムで情報を得る方法として利用されていそうだ。
  • 年代別に見ると、40代以下では4割前後(35.2~41.2%)の人が新聞社のウェブサイトを見ている。最も多いのは30代の41.2%である。

図7-1、図7-2、図7-3



調査の概要