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■「中央調査報(No.634)」より

父親の育児参加に関する世論調査

 時事通信社では、「父親の育児参加に関する世論調査」を継続実施しており、本年が11回目となる。今回の調査は2010年6月4日から7日、全国で20歳以上の男女2,000人を対象に面接聴取法で行われ1,353人から回答を得た。初回調査は1999年6月、前回調査は昨年6月に実施されている。

1.父親が育児に参加することに対する考え
 「父親は許す範囲内で育児に参加すればよい」とする“マイペース派” が54.2%と最も多く、次いで「父親も育児を分担して積極的に参加すべき」とする“積極参加派” が34.7%、「父親は外で働き、母親が育児に専念すべき」とする“伝統的子育て派” が8.7%となった。前回調査と比較すると、大きな変化はみられない。
 年代別にみると、今回調査では、育児参加度の高い20~40歳代の中にあって、20歳代の“伝統的子育て派” の割合が高くなっている(前回比4.5ポイント増)。(図1)

図1


2.父親の育児参加状況(複数回答)
 「お風呂に入れる」が71.0%と最も高く、以下、「遊び相手をする」69.4%、「おしめをかえる」40.7%、「ミルクを飲ませたり、ご飯を食べさせたりする」40.6%、「寝かしつける」35.3%、「保育園などの送迎」25.9%の順となった。また、「育児に参加していなかった(参加していない)」は18.2%となった。
 前回調査と比較すると、「おしめをかえる」の割合が2.6ポイント増加している。ほかは大きな変化は見られない。(図2)

図2


3.父親の育児参加への積極性
 「積極的」21.0%、「どちらかというと積極的」26.4%を合わせた“積極的参加” 47.4%は前回より3.1ポイント増加し、対して「どちらかというと消極的」10.9%、「消極的」3.5%を合わせた“消極的参加”14.5%は1.0ポイント減少した。
 性別の時系列でみると、“積極的参加” の割合は男女ともに増加傾向にあり、「まあまあ」は減少傾向にある。一方“消極的参加” の割合は初回調査からほぼ変わらず、女性が男性に対して高めとなっている。(図3)

図3

4.男性の育児参加の割合が低い理由(複数回答)
 「仕事で育児をする時間がとれないから」が66.2%と最も高く、以下、「『育児は女性の仕事』と考えているから」31.9%、「育児参加を後押しする行政支援が少ないから」30.7%、「育児の仕方がよくわからないから」24.3%、「『育児は面倒くさい』と考えているから」14.0%の順となった。
 時系列でみると、「育児参加を後押しする行政支援が少ないから」が増加傾向にあり、「『育児は面倒くさい』と考えているから」が減少傾向にある。(図4)

図4


5.男性の育児参加を促すために必要なこと(複数回答)
 「父親自身が『育児に参加する』気持ちを持つ」が47.5%と最も高く、以下、「労働時間の短縮など職場の環境を改善する」45.0%、「育児参加を後押しする行政支援を充実させる」37.6%、「『育児は女性の仕事』という意識を改める」30.5%となった。
 時系列でみると、「労働時間の短縮など職場の環境を改善する」は増加傾向にあり、対して「父親自身が『育児に参加する』気持ちを持つ」、「『育児は女性の仕事』という意識を改める」は減少傾向にある。一方、「育児参加を後押しする行政支援を充実させる」は前回から1.4ポイント減少した。(図5)

図5

(調査部 内海貴文)