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■「中央調査報(No.641)」より

 ■ 携帯電話に関する世論調査

 時事通信社では、2010年12月10日から13日にかけて、無作為に選んだ全国20歳以上の男女個人2,000人を対象に、「携帯電話に関する世論調査」を実施した。この調査は、調査員による面接聴取法により実施し、1,323人から回答を得た。調査は2009年12月にも実施している。

1.携帯電話の所持と使用
 携帯電話を「持っている」人は83.4%を占め、「持っていない」人は16.6%にとどまった。「持っている」人の割合は前年調査でも8割を超えている。(図1

図表1

 携帯電話を「持っている」人に、携帯電話を1日に平均どれくらいの時間使っているか尋ねると、「およそ30分前後」と答えた人の割合が4割を超え、平均時間は46.3分であった。昨年調査でも「およそ30分前後」の割合が4割強、平均時間は45.5分と、傾向に変化は見られない。
 また、月平均の携帯電話の使用料について尋ねると、「3千円未満」と答えた人の割合が27.4%で最も多く、「5千円未満」までの使用料だと答えた人が半数を超える。平均使用料は5,635円であった。昨年調査では「5千円未満」までの使用料だと答えた人が約6割、平均使用料は5,295円であった。
 次に、携帯電話の使い方を尋ねたところ、「家族や友人、知人と話をする」が最も多く89.0%、次いで「電子メールのやりとりをする」が56.6%となっている。通話するための手段として使用すると答えた人の割合が多いが、電子メールのやりとりの手段としても大きな役割を果たしている。以下、「仕事で、会社の上司や同僚、取引先の人と話をする」が32.6%、「カメラで撮影する」が26.7%、「ニュースや天気予報などの情報を入手する」が19.9%となっている。(図2

図表2


2.スマートフォンの使用
 スマートフォンの使用について尋ねたところ、「使っている」人は3.8%にとどまり、「使っていないが、使いたいと思う」と答えた人は23.5%となっている。一方、「使いたいとは思わない」と答えた人は67.7%を占める。(図3

図表3

 都市規模別に見ると、「使っていないが、使いたいと思う」の割合は、都市規模が大きいほど高くなっている。
 性別では、差が見られない。
 年代別に見ると、「使っていないが、使いたいと思う」の割合は年代が低いほど高くなる傾向が顕著である。20歳代では、すでに「使っている」も1割を超え、「使っていないが、使いたいと思う」の割合も4割となっている。20歳代のみ、すでに使用している人及び今後使用意向のある人を合計した割合が5割を超えている。(図4

図表4


3.携帯電話に求めていること
 携帯電話にどのようなことを求めているか尋ねたところ、「通話・利用料金体系の多様化、価格低下」を挙げた人の割合が最も多く、53.3%となっている。以下、「画面の見やすさ、使いやすさなどの向上」32.0%、「携帯電話機、周辺機器の価格の低下」28.0%、「通話やメールなど基本的な機能のサービス強化」25.5%となっている。(図5

図表5

 年代別に見ると、全体で1位の「通話・利用料金体系の多様化、価格低下」は、年代を問わず、要望が高い。全体で2位の「画面の見やすさ、使いやすさなどの向上」は、年代が上がるにつれて要望の順位が高くなっている。(図6

図表6

 このことから、携帯電話に新しい機能やサービスを求めるのではなく、既存の機能やサービスの向上や充実、及び価格の低下を望む声が多いことがわかる。

(調査部 君島ゆかり)