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■「中央調査報(No.644)」より

「健康とスポーツ」に関する世論調査

 時事通信社では、2011年4月15日から18日にかけて、無作為に選んだ全国20歳以上の男女個人1,925人を対象に、「健康とスポーツ」に関する世論調査を実施した。この調査は、調査員による面接聴取法により実施し、1,295人から回答を得た。前回調査は昨年4月に実施されている。
 注)通常の時事世論調査は全国2,000人で実施しているが、4月調査は東日本大震災の被災地である宮城・福島両県と茨城県の一部を対象除外地とした。

1.現在の健康状態
 現在の健康状態について尋ねたところ、「健康」と答えた人は76.4%と、約4人に3人の割合となっている。一方、「不安がある」と答えた人は23.5%となっている。これまでの調査結果と比較すると、大きな変化は見られない。
 「健康」と答えた人の割合は、地域別では東京、大阪などの20大都市で80.5%、その他の市で75.1%、郡・町村で74.2%となっており、大都市がやや高くなっている。
 性別では、男性が78.4%、女性が74.5%となり、男性のほうがやや高くなっている。
 年代別では、年代が高くなるにつれて「健康」と答えた人の割合が低くなっている。20~30歳代では約9割、40歳代で8割台半ば、50歳代で7割、60歳代で7割弱、70歳以上では6割に低下する。一方、「不安がある」と答えた人の割合は、年代が上がるにつれて高くなり、70歳以上では4割弱となっている。

図表1

2.定期的な健康診断の受診状況
 次に、定期的な健康診断を受けているか、受けている場合、どのように受けているかを尋ねた。
 「所属する企業や団体が実施する健康診断を受けている」が40.4%で最も多く、「自主的に医療機関で健康診断を受けている」が22.6%、「自治体が実施する健康診断を受けている」が17.8%となっている。これらを合わせた「定期的な健康診断を受けている」という人の割合は75.3%を占めている。一方、「定期的な健康診断は受けていない」は24.5%となっており、4人に1人は受けていない。

図表2

 職業別にみると、健康診断を受診しているという人の割合は無職の主婦(64.5%)とその他の無職(68.6%)で低くなっている。
 性別にみると、健康診断を受診している人の割合は女性(70.0%)より男性(80.5%)の方が高くなっている。受けている健康診断では、「所属する企業や団体が実施する健康診断を受けている」は女性(30.4%)より男性(50.2%)に多く、「自治体が実施する健康診断を受けている」は男性(14.3%)より女性(21.3%)に多くなっている。
 年代別では、健康診断を受診している人の割合が20歳代で64.8%、30歳代で69.1%と7割弱にとどまるのに対し、40歳代以上の年代では8割前後を占めている。受けている健康診断では、20~50歳代では「所属する企業や団体が実施する健康診断を受けている」の割合が高く、60歳代、70歳以上では、「自主的に医療機関で健康診断を受けている」、「自治体が実施する健康診断を受けている」の割合が高くなっている。

3.ふだん行っている運動・スポーツ
 ふだん、運動やスポーツをしている人の割合は60.2%と約6割を占めている。
 地域別では東京、大阪などの20大都市で61.7%、その他の市、郡・町村では59.7%となっており、地域別には大きな差は見られない。
 性別では、男性が66.0%、女性が54.3%となっており、男性の方が高くなっている。
 年代別では、50歳代が56.6%とやや低くなっているが、どの年代でも運動やスポーツをしている人の割合は6割ほどとなっている。

図表3

 また、ふだん、どのような運動やスポーツをしているか尋ねたところ、「散歩」が37.2%と最も多く、以下、「ジョギング」8.0%、「ゴルフ」7.8%、「サイクリング」5.4%、「体操(ジャズダンス、エアロビクス)」5.3%、「登山、山歩き」4.1%などが続いている。
 さらに、ふだん運動やスポーツをしていると答えた人に、その頻度を尋ねたところ、「週に1~2回」と答えた人が33.8%と最も多く、次いで「毎日」が28.2%、「週に3~4回」が20.1%となっている。
 一方、ふだん運動やスポーツをしていないと答えた人に、その理由を尋ねたところ、「仕事や家事が忙しくて時間がないから」と答えた人が54.8%と最も多く、以下、「機会がなかったから」が19.8%、「体を動かすのが好きでないから」が12.3%、「年をとったから」が11.0%と続いている。

4.健康維持のために行っていること
 今回の調査から、定期的な健康診断、運動やスポーツのほかに、健康維持のためにしていることはあるかを新規質問として追加した。
 「食事の内容や時間に気を付ける」が37.4%と最も多く、以下、「たばこを吸わない」33.9%、「なるべく歩いたり階段を使うようにする」33.0%、「外出後にうがいや手洗いをする」31.5%、「ストレスをためないように気分転換をする」31.0%、「お風呂に入って体を温める」28.3%、「早寝早起きや睡眠時間を十分に取ることを心掛ける」27.2%などが続いており、健康維持のためにしていることがあるという人は約9割に上っている。

(調査部 萩原伸雄)