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■「中央調査報(No.653)」より

携帯電話に関する世論調査

 時事通信社では、2011年12月9日から12日にかけて、無作為に選んだ全国20歳以上の男女個人2,000人を対象に、「携帯電話に関する世論調査」を実施した。この調査は、調査員による面接聴取法により実施し、1,264人から回答を得た。調査は2009年、2010年にも実施している。

1.携帯電話の所持と使用
 携帯電話を「持っている」人は84.5%を占め、「持っていない」人は15.5%にとどまった。「持っている」人の割合は過去2回の調査でも8割を超えている。(図1)

図1

 携帯電話を「持っている」人に、携帯電話を1日に平均どれくらいの時間使っているか尋ねると、「およそ30分前後」と答えた人の割合が39.6%(昨年:42.4%)と最も多く、次いで「ほとんど使わない」が29.4%(昨年:28.4%)、「およそ1時間前後」が15.6%(昨年:15.9%)と昨年と傾向は変わらない。なお、平均時間は51.3分と、昨年の46.3分から5分長くなっている。
 また、月平均の携帯電話の使用料について尋ねると、「3千円未満」と答えた人の割合が31.3%(昨年:27.4%)で最も多く、「5千円未満」までの使用料だと答えた人が半数を超え、昨年と傾向は変わらない。平均使用料は5,568円(昨年:5,635円)であった。
 次に、携帯電話の使い方を尋ねたところ、「家族や友人、知人と話をする」が最も多く85.8%、次いで「電子メールのやりとりをする」が49.6%となっている。通話するための手段として使用すると答えた人の割合が多いが、電子メールのやりとりの手段としても大きな役割を果たしている。以下、「仕事で、会社の上司や同僚、取引先の人と話をする」が32.9%、「カメラで撮影する」が28.0%、「ニュースや天気予報などの情報を入手する」が22.8%となっている。
 昨年調査と比較すると、上位2項目の「家族や友人、知人と話をする」が3ポイント、「電子メールのやりとりをする」が7ポイント減少している。一方、「ニュースや天気予報などの情報を入手する」「ブログやSNS、ツイッターに書き込む」がそれぞれ3ポイント増加している。(図2)

図2


2.スマートフォンの使用
 スマートフォンの使用について尋ねたところ、「使っている」人は13.4%、「使っていないが、使いたいと思う」と答えた人は26.9%となっている。一方、「使いたいとは思わない」と答えた人は56.8%を占める。
 昨年調査から、「使っている」人の割合は10ポイント増加し、スマートフォンの普及が進んでいることがわかる。また、先に見た「携帯電話の使い方」の変化もスマートフォンの使用が影響していると思われる。(図3)

図3

 都市規模別に見ると、「使っている」の割合は都市規模で大きな差は見られないが、「使っていないが、使いたいと思う」の割合は、20大都市で高くなっている。
 性別では、「使っている」の割合は男性の方が高い。「使っていないが、使いたいと思う」の割合は男女差が見られない。
 年代別に見ると、「使っている」の割合は年代が低いほど高く、30歳代では4人に1人の割合、20歳代では4割強となっている。「使っていないが、使いたいと思う」の割合は50歳代以下の年代ではいずれも3割を超えており、40歳代ではほぼ4割となっている。今後は若年層だけでなく幅広い年代に普及することが予想される。(図4)

図4


3.携帯電話に求めていること
 携帯電話にどのようなことを求めているか尋ねたところ、「通話・利用料金体系の多様化、価格低下」を挙げた人の割合が最も多く、52.1%となっている。以下、「画面の見やすさ、使いやすさなどの向上」33.8%、「通話やメールなど基本的な機能のサービス強化」25.5%、「本体機器、周辺機器の価格の低下」24.8%となっている。
 昨年調査と比較すると、「本体機器、周辺機器の価格の低下」が3ポイント減少しているが、全体の傾向に大きな変化は見られない。(図5)

図5

 年代別に見ると、全体で1位の「通話・利用料金体系の多様化、価格低下」は、年代を問わず、要望が高い。全体で2位の「画面の見やすさ、使いやすさなどの向上」は、30歳代では3位となっているものの、全年代で高い要望となっている。また、20歳代では4位に「各種サービスの多様化、機器の多機能化・高性能化」があげられている。(図6)

図6


(調査部 君島ゆかり)