■ パーソナル先端商品の利用状況(第34回)
当社が実施している「パーソナル先端商品の利用状況」調査について報告します。当調査は20
歳以上の男女個人を対象として1986 年 11 月から個別面接方式で毎年行っています。今回が34
回目で2019 年 2 月に行い、有効回収数は1,213 でした。結果は性・年代構成の歪みを補正し
ています。
本稿では、まず第34 回調査結果の概要を紹介し、後段で過去の結果の中から主機器の時系列
データを概観します。紙面ページ数等の制約から数値の概略にとどめ、背景分析までは踏み込
んでいません。
![]() 2 .今後の(新規)利用意向 ・利用意向率が最も高かったのは「4K・8Kテ レビ」の18.5%であり、前回よりも5.2ポイン ト上昇した。利用率の伸びは緩やかであるも のの、利用意向率については、2014年の調査 開始以来上昇を続け、過去最高となっている。 ・次いで利用意向率が高かったのは「タブレット 型パソコン」で4.3%。「パソコン(計)」でみる と、利用意向率は7.2%となっている。 ・その他利用意向率の高いものとしては、「ス マートフォン」が3.5%となっている。「スマー トフォン」の利用意向率は、50代以上で引き 続き高くなっている。 ・今回新たに聞いた「有機ELテレビ」と「ス マートスピーカー」の利用意向率は、それぞれ 2.4%、2.9%であった。 ![]() 3 .利用率の推移 「パーソナル先端商品の利用状況」調査は1986 年から実施されている。調査が始まって間もな く時代は昭和から平成へと変わったが、パソコ ン・携帯電話の普及やスマートフォンの登場に より、私たちの暮らしはその後大きく変化した。 このたび平成が終わるにあたって、私たちの身 の回りにある機器のこの30年間の利用状況の変 化を振り返りたい。 調査で聞いている機器は毎年見直しているの で、それぞれの機器について必ずしも長期的な 変化を追うことはできないが、今回新たに聞い た「有機ELテレビ」と「スマートスピーカー」以 外の機器についてこれまでの利用率の推移をま とめると、以下の通りである。 (1)液晶テレビ 「液晶テレビ」の利用率は、3大都市圏で地上デ ジタル放送が開始された直後の2004年には1割 に満たなかったが、その後普及しはじめ、2007 年には2割に達した。その後さらに普及の速度は 上がったが、2011年7月の地上アナログ放送終 了まで2年を切った2009年12月時点での利用率 は依然として5割に満たなかった。しかし、その 後の1年余りで利用率が飛躍的に向上し、2011 年3月には7割に達した。利用率はその後もやや 上昇し、現在は8割台となっている。(図表3) ![]() (2)4K・8Kテレビ 2014年に調査開始した「4K(・8K)テレビ」 の利用率は、緩やかな上昇傾向を示しているが、 依然として低い水準にとどまっている。(図表4) ![]() (3)ケーブルテレビ 「ケーブルテレビ」の利用率は、1990年代末か ら2000年代初頭にかけては1割前後であった が、2000年代前半に上昇して2割を超えた。そ の後も緩やかに利用率の上昇傾向は続き、近年 は3割を超えている。(図表5) ![]() (4)DVD/HDDプレーヤー・レコーダー 2002年の時点で2割程度であった「DVD /HDDプレーヤー・レコーダー」の利用率は、 2006年ごろにかけて急上昇したが、その後伸び は鈍化し、現在に至るまで5~6割で安定して 推移している。(図表6) ![]() (5)ブルーレイプレーヤー・レコーダー 2011年の時点で2割程度であった「ブルーレ イプレーヤー・レコーダー」の利用率は、2014 年ごろにかけて上昇し、その後は4割前後で推 移している。(図表7) ![]() (6)デジタルカメラ(コンパクトデジタルカメラ) 1990年代末から普及が進んだ「デジタルカメ ラ」の利用率は、2000年代前半には着実に上昇 し、2006年には5割に迫った。「コンパクトデ ジタルカメラ」の利用率は、2007年以降も緩や かな上昇傾向を示したが、2012年をピークに減 少に転じ、現在は3割程度にまで落ち込んでい る。(図表8) ![]() (7)デジタル一眼レフカメラ 2007年から「デジタルカメラ(コンパクトデジ タルカメラ)」と区別して聞くようになった「デジ タル一眼レフカメラ」の利用率は、2000年代後 半は1割前後で推移していたが、2010年代には 上昇し、現在は2割近くとなっている。(図表9) ![]() (8)デジタルビデオカメラ 2011年に調査開始した「デジタルビデオカメ ラ」の利用率は、2010年代初頭には2割台後半 であったが、その後上昇して、近年は3割台で 推移している。(図表10) ![]() (9)携帯メモリーオーディオ iPodなどの「携帯メモリーオーディオ」の利用 率は、2000年代前半には1 ~ 2%程度にとどまっ ていたが、2000年代後半に上昇し、2009年12 月には16.5%となった。2010年代に入ると利 用率の上昇は止まったが、現在も1割台の利用 率を維持している。(図表11) ![]() (10)電子ブックリーダー 2011年に調査開始した「電子ブックリーダー」 の利用率は、現在やや増加傾向にはあるものの、 依然として低い水準にとどまっている。(図表12) ![]() (11)家庭用ゲーム機 2000年代前半に2割台後半で推移していた「家 庭用ゲーム機」の利用率は、2000年代後半に上昇 して、2011年ごろには3割台半ばとなったが、そ の後は緩やかな下落傾向を示している。(図表13) ![]() (12)携帯ゲーム機 「携帯ゲーム機」の利用率は、2000年代に上昇 し、一時は3割に迫ったが、2010年代に入ると 緩やかに下落している。(図表14) ![]() (13)ウェアラブル機器 2015年に調査開始したアクションカメラやス マートウォッチなどの「ウェアラブル機器」の利 用率は、やや増加傾向を示してはいるが、依然 として低い水準にとどまっている。(図表15) ![]() (14)パソコン(計) 「パソコン(計)」の利用率は、1990年代前半 には1割台であったが、Windows95の発売が 開始された1995年以降上昇に転じ、2000年に は3割を突破した。利用率はその後も順調に上 昇を続け、2009年12月には6割を超えたが、 2010年代に入ると上昇が止まり、その後は安定 して推移している。(図表16) ![]() (15)デスクトップ型パソコン 「デスクトップ型」の利用率は、1990年代前半 には1割程度であったが、Windows95の登場 とともに増加しはじめ、2000年代前半まで上昇 を続けた。その後は3割台前半で安定して推移 していたが、2010年代に入ると下落に転じ、現 在は2割台前半にまで低下している。(図表17) ![]() (16)ノート/ブック型パソコン 一方、「ノート/ブック型」の利用率は1990 年代 には数%の低い水準にとどまっていたが、2000年 代に入ると上昇に転じた。その後利用率は順調に 増加し、2008年には「デスクトップ型」を逆転した。 その後も2011年ごろまで上昇が続いたが、その 後は4割台で安定して推移している。(図表18) ![]() (17)モバイルノート(ミニノート)パソコン 「モバイルノート(ミニノート)」の利用率は、 2000年代には緩やかに上昇したが、2010年代 に入ると一時落ち込みを見せた。しかし、近年は 再び利用率が1割台に回復している。(図表19) ![]() (18)タブレット型パソコン 他の形態のパソコンの利用率が伸び悩む中で、 2010年にiPadが販売開始されてから「タブレッ ト型」の利用率は急速に上昇した。2016年には 「デスクトップ型」をはじめて上回り、その後も 利用率は上昇を続け、今回は3割を突破した。(図 表20) ![]() (19)パソコン用プリンター 1990年代末に2割以下であった「パソコン用 プリンター」の利用率は、2000年代を通して上 昇し、2010年代には5割前後で推移している。 (図表21) ![]() (20)スキャナー 1990年代末に5%未満であった「スキャナー」 の利用率は、2000年代を通して上昇し、2010 年代には2割前後で推移している。(図表22) ![]() (21)ブルートゥース機器 2014年に調査開始した「ブルートゥース機器」 の利用率は、年による変動はあるものの、概ね 1割台で推移している。(図表23) ![]() (22)インターネットの利用 1996年の時点でわずか1.3%であった「イン ターネット」の利用率は、1990年代末から利 用が拡大し、2000年には2割近くにまで急上 昇した。その後も2000年代を通して普及が進 み、2009年12月には利用率が5割を超えたが、 2010年代に入ってからは上昇傾向が止まり概ね 5割台で推移している。(図表24) ![]() (23)ブロードバンド回線の利用 「ブロードバンド回線」の利用率は、2002年の 時点では4.7%であったが、2000年代を通して 利用が拡大し、2009年12月には4割に達した。 しかし、2010年代に入ると減少に転じ、現在は 3割程度にまで落ち込んでいる。(図表25) ![]() (24)モバイルWi-Fiルーター 2017年に調査開始した「モバイルWi-Fiルー ター」の利用率は、2割台前半となっている。(図表26) ![]() (25)インターネット電話(IP電話) 2004年に調査開始した「インターネット電話 (IP電話)」に利用率は、2007年ごろにかけて 緩やかに上昇し、その後は1割程度で推移して いる。(図表27) ![]() (26)携帯電話(計) 「携帯電話(計)」の利用率は、1990年代前半 には3%程度であったが、1990年代後半に爆発 的に普及して、2000年には6割近くに達した。 その後、普及の速度は鈍化したものの、利用率 の上昇傾向は現在まで続いており、近年は9割 を超えている。(図表28) ![]() (27)スマートフォン 2011年に調査開始した「スマートフォン」の 利用率は、2011年には8.9%であったが、翌 2012年には19.5%、2013年には35.4%と急 速に普及した。その後も順調に利用は拡大し、 2016年には利用率が5割を超え、はじめて「携 帯電話(スマートフォン以外)」を上回った。利用 率の上昇はその後も続き、現在は7割に達して いる。(図表29) ![]() (28)携帯電話(スマートフォン以外) 一方で、2011年の時点で85.9%だった「携帯 電話(スマートフォン以外)」の利用率は、2012 年には75.4%、2013年には62.1%と急速に下 落した。利用率の下落はその後も続き、現在は 3割台にまで落ち込んでいる。(図表30) ![]() (29)PHS 「PHS」の利用率は、1990年代後半には1割 近くあったが、2000年代の初頭に急速に低下し て、その後は1 ~ 3%程度に低迷している。(図表31) ![]() (30)家庭用ファクシミリ 1990年代前半には1割未満だった「家庭用 ファクシミリ」の利用率は、1990年代後半から 2000年代半ばにかけて上昇し、一時は利用率が 4割を超えたが、その後は緩やかな低下傾向を 示している。(図表32) ![]() |