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■「中央調査報(No.765)」より

 ■ 「第29回 人気スポーツ調査」結果の概要
   ~これまでの調査結果を振り返りつつ~



一般社団法人 中央調査社
調査部 鳥居 薫


 中央調査社は、4月2日から12日にかけて、「人気スポーツに関する全国意識調査」を実施。調査は、無作為に選んだ全国20歳以上の男女個人を対象に個別面接聴取法で行い、1,207人から回答を得た。中央調査社では同テーマの調査を1993年から毎年行っており、今回で29回目となる。
 調査では、①最も好きなスポーツ選手、②好きなプロスポーツ、③好きな現役力士、④1番好きなプロ野球チーム、⑤1番好きなJ1のサッカーチーム―の5項目について毎年聞いているが、今年はそれに加えて、今年7月の東京オリンピックへの関心、楽しみな競技、開催できることへの評価についても質問した。
 本稿では、第29回調査の結果を紹介するとともに、過去の調査結果もあわせて振り返る。

1.最も好きなスポーツ選手
質問:「プロ・アマ、現役・引退、国内・国外を問わず、あなたが好きなスポーツ選手を1人だけ、何の選手かもあわせてあげてください。」(自由回答)
 最も好きなスポーツ選手を聞いたところ、「イチロー」が、3年連続となる1位。(図表1)引退して2年以上たつが、いまだに高い人気を集めており、年代別では20代、30代、50代で1位となった。(図表2)ただ、男女別では男性で1位となるも、女性では「羽生結弦」「池江璃花子」に後れを取って3位となった。また、引退直後に行った2019年調査では圧倒的人気で1位となったが、直近2年を見ると以前ほどの勢いはなくなってきているように見て取れる。2018年に一度1位の座を明け渡したことも含め、世代交代のときが近づいて来ているようだ。

図表1 最も好きなスポーツ選手 (上位10位)

図表2 最も好きなスポーツ選手 (男女別、年代別)

 昨年3位だった野球の「大谷翔平」が2位。年代別でみると、60代、70歳以上で「イチロー」をおさえて1位だった。また、40代でも「池江璃花子」に次ぐ2位で、やはり「イチロー」を上回っている。2021年も二刀流は健在で、投手として勝利数を重ねつつ、本塁打を量産している。今後、好きなスポーツ選手の質問で「イチロー」に替わる首位常連の筆頭候補であるといえる。
 昨年5位だったフィギュアスケートの「羽生結弦」が3位にランクイン。男女別でみると、男性ではトップ10圏外だが、女性では1位と、男女での差が顕著な結果になっている。2020年2月のスーパースラム達成はまだ記憶に新しく、またいくつもの大会で優勝を含むポディウム登壇を果たしており、今後も更なる活躍が期待される。
 競泳の「池江璃花子」が昨年の10位から4位にジャンプアップ。本調査期間中の4月4日に日本選手権の女子100メートルバタフライで優勝、併せてメドレーリレーでの五輪代表派遣基準も突破し、大変な話題となり多くの人に感動をもたらした。
 昨年10位だったテニスの「大坂なおみ」が5位にランクイン。2021年2月に2度目の全豪オープン優勝を果たすなど、目覚ましい活躍ぶりだ。6位には同じくテニスの「錦織圭」がランクインしている。7位は同率で野球の「坂本勇人」と「長嶋茂雄」。長嶋の人気はとても根強く、年代別では60代と70歳以上でともに4位に入っている。9位はフィギュアスケートの「浅田真央」で、引退から4年が経過するもいまだ高い人気を保っている。10位は同率でサッカーの「三浦知良」と、野球の「田中将大」がランクイン。次に、これまでの28回に及ぶ調査(第1回調査は該当質問なし)のトップ3を掲載する。(図表3)「イチロー」の名前が全28回中24カ所で見られ、特に1位だけで17回登場と、レジェンドの地位を確立している。次いで、「長嶋茂雄」がトップ3の登場回数が15回、そのうち1位の回数が5回、同様に「松井秀喜」がトップ3を10回、うち1位を2回獲得している。「イチロー」がこの先も1位にとどまるか、「大谷翔平」を始めとした現役選手にトップの座を譲ることになるのか要注目である。さらに、2022年2月には北京冬季五輪があることから、フィギュアスケートに代表される冬季スポーツの選手達の活躍にも期待が集まる。最後に、1994年調査のランキングを掲載する。(図表4)すると、今年の上位10位の中で「長嶋茂雄」「三浦知良」の2者の名前を1994年のランキング上位にも見つけることが出来る。彼らの人気がいまだ健在であることに驚嘆を禁じ得ない。
図表3 最も好きなスポーツ選手 (歴代上位3位)

図表4 最も好きなスポーツ選手 (1994 年調査)


2.好きなプロスポーツ
質問:「あなたが好きなプロスポーツを、この中(回答票=(ア) 大相撲、(イ) プロ野球、(ウ) プロサッカー、(エ) プロバスケットボール、(オ) プロテニス、(カ) プロゴルフ、(キ) プロレス、(ク) プロボクシング、(ケ) カーレース(F1など) ) からいくつでもあげてください。」(複数回答)
 本調査では好きなプロスポーツについても聞いている。1993年に調査を開始した時は「大相撲」「プロ野球」「プロゴルフ」「プロサッカー(Jリーグ)」「プロボクシング」「プロレス」の6項目を挙げていたが、その後、1995年に「カーレース(F1など)」が加わった。その頃はというと、バブル崩壊後の不況により1992年にホンダがF1から撤退するなど、様々なカテゴリーでメーカー撤退や規模縮小が相次いでいたものの、日本におけるモータースポーツ人気は円熟期に入っていたとも言える。次に2014年には「プロテニス」を追加。「錦織圭」「クルム伊達公子」といった新旧の選手達の活躍で、徐々に人気が高まっている時期だった。そして2017年には「プロバスケットボール」を追加。こちらはBリーグが発足したことに伴うものである。なお、調査開始当初は国内のプロスポーツを念頭に置いていたものの、近年は日本人選手が海外で活躍したり、海外スポーツが国内で見られることも多くなってきた。このことを踏まえ、2010年には「プロサッカー(Jリーグ)」を「プロサッカー」に変更した。そのため、サッカーについては2009年以前のデータは参考値となる。また、通常「プロ野球」と聞いたり、その文字を目にしたときに多くの人は日本の野球を連想すると思われるが、この質問をするときに特にそういったことわりを入れてはいない。そのため、海外で活躍する日本人選手のブームによって「プロ野球」と回答することがあっても区別はしない(できない)ことを考慮しなくてはならない。
 まず2021年調査の結果について概観する。(図表5)「プロ野球」の1位は1996年から続いており、2位以下との差を考えると不動の地位を築いていると言ってよい。次に「大相撲」が4年ぶりに2位となった。ここ数年は「プロサッカー」と競り合いつつも負けることが多いのだが、久しぶりの2位復帰である。一方の「プロサッカー」が4年ぶりに2位から3位へ後退した。以下、「プロテニス」が6年連続の4位、「プロゴルフ」が7年連続の5位、「プロボクシング」が6年連続の6位、「プロバスケットボール」が5年連続の7位などと、中盤グループの順位は固定化しつつあるように見える。ただし、「プロテニス」については2020年まで、ほとんど「大相撲」との差がないほど肉薄していたことや、過去に1度だけ「大相撲」を上回ったことなどから、今後はその立場が入れ替わる可能性が十分にある。
図表5 好きなプロスポーツ

 次に主要3項目と呼んでよいであろう、「プロ野球」「大相撲」「プロサッカー」について、過去からの変遷をたどってみる。(図表6)第1回調査で最も人気が高かったのは大相撲だった。この頃、若貴ブームもあって相撲は大変な人気を博していた。ただし、その後の凋落ぶりも激しく、1996年には「プロ野球」に抜かれてしまい、2003年には「プロサッカー(Jリーグ)」にも抜かれた。振り返ると若貴ブーム以後は彼らほどに注目を集めるスター力士もなく、朝青龍や白鵬など大横綱と呼べる存在は生まれても、相撲自体は当時のような人気を回復するには至らなかった。また、八百長問題に揺れた2011年からの4年間は15~16%台と最も落ち込んだ時期だった。2017年は稀勢の里が久しぶりの日本人横綱となるなど話題に恵まれたからだろうか、一時的に盛り返すも、その後は何とか2割を維持しているといった様相だ。
図表6 好きなプロスポーツ( 時系列、主要3項目)

 次に「プロサッカー」を見てみると、1993年からしばらくは2割前後を行ったり来たりしていたが、2002年の日韓共催によるワールドカップを前に上昇しはじめ、ワールドカップ後の2003年調査では大幅に上昇した。その後はおおむね2割台前半で推移し、2010年のワールドカップ南アフリカ大会後の2011年調査でまたも大きな飛躍を見せる。その後は一時3割台の後半にまで乗せるも、そこから緩やかに低下していき、最新の2021年調査で再び2割を割り込んだ。
 最後に「プロ野球」について見てみよう。1993年から1995年までは「大相撲」の後塵を拝していたが、その後は「大相撲」の凋落とは対照的に緩やかながら上昇基調が続き、2002年、2003年とも6割丁度にまで人気が高まった。この頃を振り返ると、野球に興味のない人でも誰もが知っているであろう、イチローや松井秀喜がアメリカ・メジャーリーグで活躍しており、先述の好きなスポーツ選手においても2000年代は両名が1~2位を独占する年が何回もあった。ただ、2004年以降は緩やかに人気も低下していき、2011年から2020年まではずっと4割台で推移、そして、2021年には初めて4割を切る結果となった。
 最新の調査ではプロ野球からプロレスに至るまで、軒並み人気が低下しており、その原因を特定することは難しいものの、コロナ禍によってスポーツ全般に対する関心がマイナスの影響を受けたのではないかと思われる。今後はまた各スポーツの人気が上昇基調になることを願ってやまない。

3.好きな現役力士
質問:「あなたが好きな現役の力士を3人まであげてください。」(自由回答、複数回答)
 「人気スポーツ調査」では、好きな現役力士についても1993年から継続してたずねている。まず今年の結果について言及しよう。(図表7)横綱「白鵬」が2年連続の1位で、休場が続き苦しい立場にいるも、いまだ高い人気を維持している。次に大関「貴景勝」が2位で、昨年の3位から上昇。3位は大関「照ノ富士」で、2017年以来4年ぶりのランクインとなった。照ノ富士は調査前の三月場所で優勝したことが影響したのであろう大躍進を果たした。そして調査後の五月場所でも優勝するなど目覚ましい活躍で、今後に期待がかかる力士の一人である。4位は「炎鵬」で、昨年の2位から、5位は「遠藤」で、同じく昨年の4位からダウン。そして6位「正代」、7位「朝乃山」、8位「高安」、9位「御嶽海」「大栄翔」となっている。
図表7 好きな現役力士(上位10位)

 次に歴代のトップ3を見てみると、2008年から計11回1位となった白鵬の偉大さが瞭然と見て取れる。(図表8)また、2017年には「稀勢の里」が48.9%という、近年まれにみる高い人気を集めた。2019年の「貴景勝」もそれに次ぐ人気ぶりで、この年1位となった。
図表8 好きな現役力士(歴代上位3位)

 その一方で、「1人も浮かばない」を1回目からたどってみると、1993年には15.5%だったが、直近では59.0%に上っており、相撲人気の復活がなかなか難しいことを指し示している。

4.一番好きなプロ野球チーム
質問:「日本のプロ野球チームの中で、あなたが一番好きなチームはどこですか。」(自由回答)
 好きなプロ野球チームも、第1回調査から継続して聞いている質問である。まず、「巨人」の1位と「阪 神」の2位については、調査開始以来一度も変わっていない。2021年の3位以下について見てみると、 3年振りのパ・リーグ優勝、そして4年連続日本一となった「ソフトバンク」が、本調査では2年連続と なる3位だった。(図表9)また、昨年セ・リーグ3位だった「中日」が4位、「日本ハム」が5位、「広島」が6位と続いている。なお、リーグ別小計を見ると、今年は『セ・リーグ』が45.0%、『パ・リーグ』が16.7%となっている。
図表9 一番好きなプロ野球チーム

 次にリーグ別の時系列を見る。(図表10)1990年代から2000年代初頭にかけては『セ・リーグ』の人気が特に高く、この期間の大半で6割以上となっていた。反対に、『パ・リーグ』はこの期間、ほとんど1割を切っていたことになる。それだけ多くの人が『セ・リーグ』(その大半は「巨人」)に注目していたようだが、2000年代の中ごろからこの流れに変化が生じる。「近鉄」と「オリックス」の合併構想から始まるいわゆる球界再編の結果として、「楽天」が東北を本拠地として誕生した。また、セ・パ交流戦が2005年に始まり、2007年にはクライマックスシリーズも始まるなどし、それらは結果として『パ・リーグ』の人気上昇につながったようだ。まだ『セ・リーグ』とは厳然たる差があるものの、両者の差は2000年代初頭までよりも小さくなっている。反対に『セ・リーグ』は徐々に人気が低下しており、また、緩やかにではあるが、「どれもない」が増えてきていることが分かる。
図表10 一番好きなプロ野球チーム(リーグ計・時系列)

 各球団別の時系列を見てみると、2000年代の前半までは「巨人」が『セ・リーグ』人気の牽引役であったことがよく分かる。(図表11)その「巨人」や「阪神」の人気が低下し、代わりに「日本ハム」は2004 年北海道移転後に大きく人気が上昇、「ソフトバンク」も「ダイエー」からの経営移管後に上昇している。2000年代中ごろからの地域密着志向やファンサービスの重視など、各チームの経営努力により、チーム人気の分散が促されたようだ。
図表11 一番好きなプロ野球チーム(時系列)


5.一番好きなJ1のサッカーチーム
質問:「日本のプロサッカーリーグ(Jリーグ)のうち、現在のJ1で、あなたが一番好きなチームはど こですか。この中(回答票)から1つだけ選んでください。」
 1番好きなJ1のサッカーチームについては、第12回調査(2004年)から質問している。まず今年の内容について触れておく。(図表12) 昨年リーグ2位の「ガンバ大阪」が2年連続で1位となった。昨年リーグ1位、天皇杯で優勝の「川崎フロンターレ」が2位、昨年リーグ3位の「名古屋グランパス」が昨年から1つ順位を上げて3位となった。
図表12 一番好きなJ1のサッカーチーム

 歴代の上位3位までを見てみると、その顔触れはだいたい同じようだ。(図表13)ただし、2021 年は「川崎フロンターレ」が2位、「名古屋グランパス」が9年ぶりにトップ3に入るなど、いつもとは少し趣が異なっている。またよく見ると、2006年王者の「浦和レッズ」が2007年調査で1位。2008年、2009年王者の「鹿島アントラーズ」が2009年、2010年調査で1位。2014年王者の「ガンバ大阪」が2015年調査で1位、2016年年間王者の「鹿島アントラーズ」が2017年調査で1位となるなどしており、同様に2位、3位についても前年の優勝チームが何カ所かで顔をのぞかせている。これらのことから、Jリーグについてはある程度、各チームで固定ファンが根付いてはいるものの、前年シーズンでの優勝をはじめとする活躍ぶりによっては上位もうかがえる、流動的なランキングになっていると言える。
図表13 一番好きなJ1のサッカーチーム(歴代上位3位)


6 .東京オリンピックへの関心と楽しみな競技、開催に対する評価
質問:(回答票)「あなたは、今年夏の東京オリンピックを楽しみにしていますか。」
質問:(回答票)「では、東京オリンピックではどの競技が楽しみですか。」(複数回答)
質問:(回答票)「新型コロナウイルスの影響で1年延期になり、観客の受け入れも制限されるなど、本来とは違う形での開催となります。あなたは、東京オリンピックを開催できることについて、よかったと思いますか。」_

 今回の「人気スポーツ調査」では、毎年聞いている質問に加えて、今年7月に開催される東京オリンピックへの関心、楽しみな競技、開催できそうであることについての評価もたずねた。そのうち、関心については2020年から、楽しみな競技については2018年から同様の質問をしているので、比較についても言及する。
 まず、関心について見てみる。(図表14)今年夏の東京オリンピックについては、「とても楽しみにしている」が13.1%、「まあまあ楽しみにしている」が37.8%だった。両方を合わせた『楽しみにしている(計)』は50.9%と半数を超えた。ただし、「あまり楽しみでない」(27. 5%)と「まったく楽しみでない」(19.0%)を合わせた『楽しみでない(計)』が46.5%となり、拮抗するかたちとなった。
図表14 東京オリンピックへの関心度 2021年

 2020年は『楽しみにしている(計)』が62.4%だったので、11.5ポイントも低下し、反対に『楽しみでない(計)』は2020年が35.5%だったので、11.0ポイント上昇となった。(図表15)ここでも新型コロナウイルスによる影響なのか、この1年でオリンピックに対する関心が大幅に落ち込む結果となってしまった。
図表15 【参考】東京オリンピックへの関心度 2020年

 性・年代別で『楽しみにしている(計)』に着目してみると、女性の20代が58.6%と最も高く、次に女性の50代が57.1%、女性の40代が56.3%などと続き、30代以外の各年代で女性の方が男性より関心が高い結果となった。(図表16)
図表16 東京オリンピックへの関心度(性・年代別) 2021年

 東京オリンピックで“楽しみな競技”をたずねた質問では、2020年調査で1位の「水泳(競泳)」が、3.3ポイント減少ながらも2021年は1位となった。そして2020年に1位だった「陸上(マラソン)」が2位。競泳とマラソンは、直近3回は1年おきに1位と2位で入れ替わっており、両者の人気がそれだけ高く、接近していることを示している。「野球・ソフトボール」は2018年から3年連続で4位だったものの、4回目の2021年に3位へと上昇した。「体操」は2018年には2位だったが、2019年、2020年と3位になり、2021年はさらに1つ順位を下げて4位となっている。「陸上(マラソン以外)」は2018年、2019年には9位だったが、2020年には5位に飛躍し、2021年も5位を維持している。2019年の世界陸上ドーハでは、男子4×100mリレーで銅メダルを獲得し話題になるなど、日本人選手の活躍による人気と期待のふくらみが背景にあると思われる。6位は「柔道」で2020年から2つ順位を上げている。7位の「卓球」と8位の「サッカー」はそれぞれ2019年から2020年にかけて順位を1つ下げ、(5→6位、6→7位)2020年から2021年にもまた1つ順位を下げた。(6→7位、7→8位)また、9位の「バレーボール」と10位の「テニス」は2020年から順位に変動はない。(図表17)
図表17 東京オリンピックで楽しみな競技(上位15位)

 グラフを概観すると、ランキング上位の種目は多くが2020年から大幅に低下してしまっている。その中で競泳は、比較的下落幅が小さく、1位返り咲きへとつながった。
 性・年代別に楽しみな競技を見てみると、「野球・ソフトボール」と「サッカー」は各年代で男性の方が女性よりも楽しみとする人が多い。同様に、「陸上(マラソン以外)」と「柔道」でも多くの年代で男性が女性よりも高い関心を持っている。一方、「体操」では各年代で女性の方が男性よりも楽しみという回答が多く、同様に「水泳(競泳)」「バレーボール」「テニス」でも、多くの年代で女性が男性よりも高い関心を持っている。(図表18)
図表18 性・年代別にみた東京オリンピックで楽しみな競技

 新型コロナウイルスの影響で本来とは異なるかたちとなるが、東京オリンピックを開催できそうであることについてたずねたところ、「よかった」という回答が19.4%だった。(図表19)「どちらかといえばよかった」は32.6%にのぼり、両者を合わせた『よかった(計)』は51.9%となった。一方で、「どちらかといえばよくない」は22.6%、「よくない」は18.3%となり両者を合わせた『よくない(計)』は40.9%である。
図表19 東京オリンピックを開催できることについて

 次に『よかった(計)』について性別・年代別の数字を見てみる。(図表20)性別では、男性が53.0%に対し、女性が51.0%と、男性の方が2.0ポイント高い結果となった。次に年代別では、20代が59.5%で最も高くなり、次に30代が54.2%、40代が53.1%と、若年層の方がより評価する割合が高い結果となっている。逆に言うと、高年齢層において比較的、コロナ禍での開催について評価していない、好ましく思っていない現状が浮かび上がっている。
図表20 東京オリンピックを開催できることについて(性別・年代別)



調査の設計・方法など