中央調査報

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■「中央調査報(No.502)」より

 インターネットの世帯別利用率


 パソコンが会社や家庭や街角で使われているのがもはや、普通の風景となり、インターネットは新しいメディアとして定着しつつある。社団法人中央調査社では毎年、世帯インデックスリポートとして、世帯における家電製品を中心にした耐久財の保有状況、使用状況を調査している。今回、この世帯インデックスリポートからインターネットの利用世帯の特性を見てみる。

世帯インデックスリポート

実施時期 毎年3月
対 象 2人以上普通世帯 単身世帯
対象数 25,000世帯
(回収率 80%前後)
2,000世帯(完了)
地 域 全 国 全県の県庁所在市
調査方法 留め置き記入法 留め置き記入法

1.2人以上普通世帯における利用特性
 まず、世帯員2人以上の世帯の世帯利用率をみてみると、99年3月の調査では、11.6%とほぼ1割の世帯でインターネットを利用していると回答している。時系列でみると、97年は1.6%、98年は6.5%で、ここ3年間で利用率は順調に推移している(図1)
 さらにパソコンを持っている世帯でみると、世帯のパソコンの保有率は30.2%であるので、パソコン所有世帯では38.4%がインターネットを利用していることになる。保有率は97年時が21.1%、98年時が24.5%であるので、所有世帯の利用率は7.6%、26.5%38.4%と増大し、パソコンを利用する主目的となりつつある(図2)
 利用している世帯の特性を見てみると、職業別には、世帯主が管理職、事務職の世帯の利用率が2割と高い(図3)。年代別には30代が最も利用率が高いものの、20代から50代までは大きな差はなく、1割の世帯が利用している。対照的に60歳以上の世帯ではあまり利用されていない。世帯年収別にみると、年収が高い層ほど利用率が高く、900万円以上の世帯で2割を超えて、1500万円以上の世帯では4世帯に1世帯が利用している(図4)
 世帯構成別には、40代までの夫婦のみの世帯で、同居家族別には、大学生のいる世帯でインターネットの利用率が2割を超える(図5)。住居形態別にみると、分譲マンションに住んでいる世帯の利用率が他の層より高い(図6)。地域的には大都市での利用が高く、地域ブロックでは京浜地域で(図7)、都市規模別には、13大都市の利用が多い(図8)
 次に、パソコン保有世帯の中でパソコン使用者の年代別にインターネットの利用率を見てみると、男女とも20代、30代で利用が4割と多く、特に女性の20代ではパソコン使用者の2人に1 人はインターネットを利用すると回答している。男女の40~50代と女性の19歳以下は3人に1人の割合となっている。他の年代に比べ60歳以上のパソコン使用者でインターネットの利用がやや少ない(図9)


2.単身世帯における利用特性
 次に単身世帯の世帯利用率をみてみると、今回(99年3月)の調査では、13.6%の利用率があった。前回(8.2%)から5ポイントの利用率が増加している(図1)
 単身世帯では23.2%がパソコンを持っているので、パソコン所有世帯では58.6%がインターネットを利用していて、昨年より(44.8%)より14ポイント増加している。 また、利用している単身世帯の特性としては、職業別には、管理職、事務職、学生の世帯の利用率が2割前後となっている(図10)
 性・年代別には男女とも30代が最も利用率が高く、4世帯に1世帯以上がインターネットを利用していると回答しているほか、男性の20代以下の世帯で利用率が2割を超える。
 世帯年収別にみると、年収が高い層の方がやや利用率が高いものの、2人以上世帯と異なり、400万円~800万円未満の層での利用率が2割を超えている。また、99万未満の層でも1割台の利用がある(図11)
 住居形態別には、共同住宅居住者の利用が高く、賃貸マンション・アパートの人で15.8%の利用率がある。一戸建て居住者は所有の有無に関係なく、5%未満の利用にとどまる。地域的には関東・京浜地域での利用が高くなっている。

(集計部 幸村孝之)