パソコンが会社や家庭や街角で使われているのがもはや、普通の風景となり、インターネットは新しいメディアとして定着しつつある。社団法人中央調査社では毎年、世帯インデックスリポートとして、世帯における家電製品を中心にした耐久財の保有状況、使用状況を調査している。今回、この世帯インデックスリポートからインターネットの利用世帯の特性を見てみる。
1.2人以上普通世帯における利用特性 まず、世帯員2人以上の世帯の世帯利用率をみてみると、99年3月の調査では、11.6%とほぼ1割の世帯でインターネットを利用していると回答している。時系列でみると、97年は1.6%、98年は6.5%で、ここ3年間で利用率は順調に推移している(図1)。 さらにパソコンを持っている世帯でみると、世帯のパソコンの保有率は30.2%であるので、パソコン所有世帯では38.4%がインターネットを利用していることになる。保有率は97年時が21.1%、98年時が24.5%であるので、所有世帯の利用率は7.6%、26.5%38.4%と増大し、パソコンを利用する主目的となりつつある(図2)。 利用している世帯の特性を見てみると、職業別には、世帯主が管理職、事務職の世帯の利用率が2割と高い(図3)。年代別には30代が最も利用率が高いものの、20代から50代までは大きな差はなく、1割の世帯が利用している。対照的に60歳以上の世帯ではあまり利用されていない。世帯年収別にみると、年収が高い層ほど利用率が高く、900万円以上の世帯で2割を超えて、1500万円以上の世帯では4世帯に1世帯が利用している(図4)。 世帯構成別には、40代までの夫婦のみの世帯で、同居家族別には、大学生のいる世帯でインターネットの利用率が2割を超える(図5)。住居形態別にみると、分譲マンションに住んでいる世帯の利用率が他の層より高い(図6)。地域的には大都市での利用が高く、地域ブロックでは京浜地域で(図7)、都市規模別には、13大都市の利用が多い(図8)。 次に、パソコン保有世帯の中でパソコン使用者の年代別にインターネットの利用率を見てみると、男女とも20代、30代で利用が4割と多く、特に女性の20代ではパソコン使用者の2人に1 人はインターネットを利用すると回答している。男女の40~50代と女性の19歳以下は3人に1人の割合となっている。他の年代に比べ60歳以上のパソコン使用者でインターネットの利用がやや少ない(図9)。
(集計部 幸村孝之) |