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| (1)調査地域 | 札幌市、仙台市、東京都区部、その他の首都圏13市、名古屋市、大阪市、その他の京阪神12市、岡山市、倉敷市、広島市、福岡市、北九州市 |
| (2)母集団 | 従業者5人以上の民営事業所(農林漁業は除く) |
| (3)標本数 | 3500(従業者規模別割り当て) |
| (4)抽出方法 | 層化二段無作為抽出法(都市別・従業者規模別に層化) |
| (5)調査方法 | 調査員による個別訪問・残置記入法 |
普及率の推移とその背景
膨大なデータの中から、各OA機器の普及率を紹介したい。
この15年間の事業所のOA機器の普及率の推移を(図表A)に示した。全体的には、86年~91年のバブル景気にささえられ、各々の普及率は大きく伸びている。個別品目に目をむけると、それぞれの普及の浸透が非常に特徴あるものになっていることがわかる。
複写機は調査開始時1985年には、PPC(普通紙用複写機)以外にジアゾ(青焼)式複写機が2割程度占めていた(ここにある数値はPPCに限定している)が、1998年には1.5%満たない比率となり、現在はジアゾ式は一部特殊業務(図面)にのみ利用されている。
このPPCの普及はこの15年あまりに40%から64%に、約1.6倍になっている。但し、バブル末期には普及が一巡し、その後は普及率の伸びはほとんどみられない。これは、複写機そのものが高価格であり、他の機器に比べ低価格化しなかったこと、複写機を保有することは機械そのもののコスト以外にメンテナンス費用が必要であること、ファクシミリや他の方法で代替えがきくためなどである。今後についても、複写機の契約システムや低価格化に結びつく複写方式の根本的変革がない限り、これ以上の普及は考えにくい。
ファクシミリは、この15年間に最も普及が浸透したOA機器で今や事業所には必ずあると言っても過言ではないだろう。1983年の普及率は13%であったが、毎年10ポイント程度の伸びを記録し、1990年には7割を超えている。その後も1996年まで順調に伸びおおよそ85%まで到達した。このファクシミリの普及が一巡することとほぼ同時に、ファクシミリに変わる手段としてパソコンファクスやE-mailの利用が現実化してきている。
一方、情報処理ツールの日本語ワープロとパソコンの推移を見ると、ワープロの普及は短期間に急速に普及したことがわかる。調査開始前の1983年には1.8%と2%に満たなかったが、10年後の1993年には40%を超えている。日本語の文書作りに特化したワープロは、簡単な操作性とメーカーの価格競争により低価格機の供給を背景に急速に普及した。一時は、事務機メーカー、家電メーカーなどのほとんどが参入し、販売合戦が繰り広げられたことも記憶に新しい。但し、その後、パソコンへの移行が進み、衰退する。メーカー側も潮を引くように撤退した。

LANとインターネット
今後のパソコンの動向についてはパーソナルユース、ビジネスユースともに、電子ネットワークと切り離しては考えられない。電子ネットワークの中枢をなすLANとインターネットについて、2年前のデータではあるが紹介したい。電子ネットワークの普及の現況を窺わせる結果である。
1998年2月現在のLAN導入率とインターネット利用率(図C-1)をみると、全事業所ベースでは、300人以上で66.1%、100-299人で48.4%、50-99人で41.5%のLAN導入率となっている。それに対し、インターネットは各々59.5%、44.1%、36.3%の利用率で中・大規模事業所ではLAN導入率が上回っている。50人未満の事業所では、LANの導入はまだ少なく、20-49人で20.5%、10-19人で8.6%、5-9人で4.3%であるが、インターネットは20-49人規模では46.4%と半数近くで利用されている。
また、LAN導入、もしくは充実したいと考えている事業所は、全事業所ベースでみても50人以上の事業所では3割以上であり、保有事業所だけでみると、4人以下の事業所でも20%が「充実したい」との意向を示し、'98年時点での電子ネットワーク構築への期待が窺われる(図C-2)。


最後に
先に述べたように、電子ネットワーク社会はビジネスシーンのみならず、パーソナルユースを巻き込んで進行している。既に、個人インターネット利用率は20%といわれている。私どもが調査してきたOA機器とよばれるものはすべてこのネットワークに組み込まれつつある今、事業所単位での調査は現況を把握するには無理がある。
15年に渡り本調査を継続し、関係各位に事業所におけるOA関連の統計データを提供してきたが、電子ネットワークは企業単位、グループ単位、コミュニティ単位で構築されているため、適切なアプローチで対処しなければいけないと判断、継続を断念した。
今なお、各方面からの問い合わせが多く、改めて、私どもの基礎的な統計データの貴重さを痛感している。
(調査部次長 内薗知枝子)