中央調査報

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■「中央調査報(No.524)」より

 ■ 第9回「人気スポーツ調査」


 中央調査社では毎年恒例の「人気スポーツ」に関する全国意識調査を5月10日から13日にかけて、無作為に選んだ全国の20歳以上の2,000人を対象に面接聴取法により実施し、1,434人から回答を得た(回収率71.7%)。同調査は今年で9回目で、今回の調査内容も過去8回と同様、(1)好きなスポーツ選手、(2)好きなプロスポーツ、(3)好きな現役力士、(4)一番好きなプロ野球チームの4項目と、今回トピックス項目として、(5)大リーグの日本人選手、(6)toto(スポーツ振興くじ)の2項目の計6項目を聞いている。


1.好きなスポーツ選手―「イチロー」が歴代最高率でダントツ1位―
 プロ・アマ、現役・引退、国内・国外を問わず、好きなスポーツ選手を1人だけ自由回答方式であげてもらったところ、「イチロー」が歴代最高率(長嶋が1995年に記録した15.5%)を大幅に上回り、自身2度目(1度目は1996年)の1位となった。続く2位には「松井」、3位には「長嶋」、4位には「中田」が、マラソンの「高橋尚子」は初登場でいきなり5位となった。このほか、「野茂」「新庄」「清原」が順位を上げ、「貴乃花」「高橋由伸」は順位を下げた(表1)。
性別では、男女とも「イチロー」が1位となった。4位までは、男性では「長嶋」「松井」「中田」の順、女性では「松井」「長嶋」「高橋尚子」の順となった。年代別では、各年代とも「イチロー」が1位となり、若年層では「中田」が、中年層では「長嶋」が上位にあげられた(表2、3)。ジャンル別では、6割以上が「野球」選手をあげた(表4)。
表1
表2
表3
表4




2.好きなプロスポーツ―「プロ野球」が6年連続1位―

 次に、好きなプロスポーツを複数回答で選んでもらったところ、1位には「プロ野球」が、2位には「大相撲」、3位には「プロサッカー(Jリーグ)」があげられた(図1)。全般的に、女性より男性でプロスポーツ人気は高く、とくに「プロ野球」で大きな開きがみられた。「大相撲」は加齢とともに人気が上昇し、反対に「プロサッカー」は若年層で人気が高かった。「カーレース」は男性の30代で人気が高く、「プロレス」は男性の20代で人気が高かった(図2)。
図1
(図2)性・年代別にみた好きなプロスポーツ
プロ野球
大相撲
Jリーグ
プロボクシング
プロゴルフ
F1など
プロレス




3.好きな現役力士―「貴乃花」が2年連続1位―
 
好きな現役力士を3人まで自由回答方式であげてもらったところ、「貴乃花」が前回に続いて1位となった。次いで「魁皇」が大幅に比率を増やし2位に、3位の「寺尾」は順位を下げたものの比率を増やした。4位以降では、「武蔵丸」「栃東」が順位・比率ともに上げ、「武双山」「貴闘力」「雅山」は順位・比率ともに下げた(表5)
表5



4.一番好きなプロ野球チーム―「巨人」がダントツで1位―
 
日本のプロ野球チームの中で一番好きなチームとしては、「巨人」が1位となった。2位「阪神」、3位「中日」は昨年と変わらなかった。4位には「ダイエー」が浮上した(図3)。地元では、「阪神」「中日」の人気が高かった。東日本では「巨人」人気が強かった。(表6)。リーグ別では、セ・リーグへの人気集中が継続していた(図3)
図3
表6



5.大リーグの日本人選手―7割以上が関心。過半数が「イチロー」に期待―
大リーグの日本人選手については、7割以上の人が「関心がある(71.1%)」(「大変関心がある」+「少し関心がある」)と答えた(図4)。活躍してほしい日本人選手では、「イチロー」が過半数でダントツ1位となり、続く2位には「新庄」、3位には「野茂」があげられた(表7)。
図4
表7



6.toto(スポーツ振興くじ)―購入率は1割を下回る。宝くじとの比較では宝くじに軍配―
totoの認知率(79.2%)は8割近いが、購入率(5.9%)は1割を下回った(図5)。toto購入未経験者の中での購入意向率(16.3%)は、2割を下回った(図6)。購入経験者の平均購入額は1,051円、購入意向者の購入意向額は995円となった。totoと宝くじの比較では、2倍近い人が宝くじの方に魅力があると答えた(図7)

図5、図6
図7

 今回の調査結果をみると、好きなスポーツ選手ではプロ野球選手が上位に顔をそろえ、好きなプロスポーツでもプロ野球が6年連続1位になるなど、プロ野球人気が目立った。特に、大リーグで活躍する「イチロー」が1位になり、大リーグの日本人選手に7割以上の人が関心を持つなど、大リーグ人気の今後の動きも気になるところである。

(集計部 吉田渉)