中央調査報

トップページ  >  中央調査報   >  以前の調査  >  「人気スポーツ選手調査」
■「中央調査報(No.549)」より

 「人気スポーツ選手調査」

中央調査社では5月9日から12日にかけて、毎年恒例の「第11回人気スポーツ調査」を実施した。本調査は、無作為に選んだ全国の20歳以上の男女2,000人を対象に個別面接聴取法により実施し、1,446人から回答を得た(回収率72.3%)。

今回の調査内容は、
1.最も好きなスポーツ選手
2.好きなプロスポーツ
3.好きな現役力士
4.一番好きなプロ野球チーム
5.日本人大リーガーの活躍への関心、及び最も活躍してほしい日本人選手
6.大リーグの試合観戦意向
1から4までは経年調査項目、5、6は今回のトピックス項目である。

1.最も好きなスポーツ選手
 最初に「最も好きなスポーツ選手」について国内外、現役・引退組、プロ・アマを問わず、1人だけ自由回答であげてもらった。その結果、巨人からニューヨーク・ヤンキースに移籍した「松井」が昨年の「イチロー」に近い22.3%の高い支持を得て初の1位となった。「松井」は、性別・年代別のすべての項目で1位となり、圧倒的な支持を得ている。
 2位には2001年から2年間1位だった「イチロー(13.1%)」、3位には「長嶋(7.9%)」がそれぞれ順位を一つずつ下げた。4位には昨年同様「中田(3.8%)」が入り、5位の「野茂(2.9%)」と6位の「清原(2.4%)」は昨年から順位を大幅に上げた。外国人のスポーツ選手は3人がランクインし、その種目も8位の「デビット・ベッカム」がサッカー、11位の「タイガー・ウッズ」がゴルフ、19位の「ボブ・サップ」がK-1と多様化してきている(表1)

表1


2.好きなプロスポーツ
 次に「好きなプロスポーツ」について複数回答で答えてもらったところ、「プロ野球」が60.0%で1位を堅持した。
 2位は「プロサッカー(Jリーグ)(28.6%)」、3位は「大相撲(22.9%)」で、昨年と順位が入れ替わった。この2種目は共に性別による差は小さいが、「プロサッカー(Jリーグ)」は若年層ほど人気が高く、反対に「大相撲」では加齢とともに人気が上昇している。
 また、「プロゴルフ(14.2%)」、「カーレース(10.4%)」は微増、好きなプロスポーツが「どれもない」と答えた人は微減傾向(15.4%)を示している(図1)

図1


3.好きな現役力士
 大相撲で「好きな現役力士」を3人まで自由回答であげてもらったところ、1位は横綱「朝青龍(22.8%)」、2位は「千代大海(19.2%)」で、共に昨年から大幅に支持を増やした。
 3位、4位は昨年同様「魁皇」、「武蔵丸」。新しくランクインした力士は、8位「高見盛」、14位「若の里」、16位「隆乃若」。
 「一人も浮かばない」が初めて50%を超え(51.9%)、スター不在による関心低下傾向がうかがえる(2000年37.8%→2001年43.1%→2002年45.9%)。


4.一番好きなプロ野球チーム
 「一番好きなプロ野球チーム」は、「巨人(38.9%)」が他を圧倒している。2位の「阪神」は歴代最高だった昨年並みを維持した(16.1%)。3位の「中日」、4位の「ダイエー」は微減傾向。
 地区別でも「巨人」は東海、近畿・阪神以外の全地区で1位を確保。全国的な人気を得ている。1位から6位までにセ・リーグのチームが5チームを占めた。逆に、パ・リーグはリーグ別小計で見ても、ここ3年間2001年8.5%,2002年8.0%,2003年5.7%と、ファン離れが進んでいる。

5.日本人大リーガーの活躍への関心、及び最も活躍してほしい日本人選手
 まず、大リーグへの関心について、「大変関心がある(35.1%)」と「少し関心がある(41.4%)」を合わせた「関心を持っている層」は8割近くに上っている。
 性・年代別に見ると、「関心層」は男性、40代、50代で8割を超えている。
 続いて「関心層」に活躍してほしい日本人選手について答えてもらったところ、「松井」が半数以上の支持を受け(53.9%)1位となった。2位は「イチロー(23.3%)」、3位は「野茂(10.1%)」であった(表2)

表2


6.大リーグの試合観戦意向
 アメリカ大リーグの試合観戦意向を選んでもらったところ、「アメリカの球場に行って観戦したい」が25.2%、「テレビ中継で試合を見たい」も24.6%と、合わせて半数が大リーグの試合を見たいと答えている。
 また、「球場観戦」と「テレビ中継」を合わせた「関心層」で見てみると、男性62.2%、女性38.4%と、性別で大きく差がついている。年代別では40代の「関心層」が最も高い(60.5%)。職業別に見ると、自由業・管理職(62.9%)、事務職(59.6%)などが高くなっている(図2)

図2


7.最後に
 今回の「人気スポーツ調査」の結果をみると、好きなスポーツ選手や好きな力士で国籍というワクを超えて活躍している選手への支持が目立った。好きなスポーツ選手の上位に「松井」や「イチロー」、「中田」、「野茂」などが挙げられているように、わが国で最高レベルの技能を持った選手達が更に高みへ挑戦する姿に、日本の現状打破の夢を託しているかのようである。
 また、アメリカ大リーグへの関心の高さや、海外のサッカー選手への熱狂的な人気など、見る側の選択肢も広がってきている。
 今後の人気スポーツ調査では、プロ野球や大相撲での新しいスターの出現や、アメリカ大リーグ、プロサッカーでの日本人選手の活躍などが、動向を左右するのではないだろうか。