中央調査報

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■「中央調査報(No.553)」より

「音楽に関する世論調査」から


 音楽の好きな人は全体の93.4%に達し、そのうち6割強の人が自宅では「CDを使って聞く」ことが、時事通信社が初めて実施した「音楽に関する世論調査」で分かった。また、愛好者のうちでは“邦楽派”が57.9%を占めたが、年齢層が低くなるほどその割合が低くなる傾向も見られた。調査は10月10日から13日までの4日間、全国の成人男女2000人を対象に個別面接方式で実施、有効回答率は70.9%(1,417人)。

1.農林漁業は洋楽嫌い
 まず「音楽は好きか、嫌いか」を尋ねたところ、「好き」と答えたのは全体の66.3%、「どちらかといえば好き」は27.1%、「嫌い」は1.4%、「どちらかといえば嫌い」は3.8%だった。その結果,「好き」と「どちらかといえば好き」を合わせた音楽愛好者は93.4%(1,324人)に上った。
 職業別では、農林漁業を除く6つの職種で、いずれも愛好者が90%台、非愛好者が1ケタ台だったのに対し、農林漁業では愛好家が79.6%と8割を切り、非愛好者が16.3%もいた。次に、邦楽と洋楽のどちらが好きかを聞いたところ、邦楽は57.9%、洋楽は35.2%で、「分からない」が6.9%だった。ここでも農林漁業職に顕著な特色が見られ、邦楽派が92.3%、洋楽派はわずか2.6%と際立った数字を示した。
 年齢別では、年齢層が高くなるほど邦楽派の比率が高くなるが、20歳代では洋楽、邦楽両派とも48.6%と同率だった。

2.事務職は民謡、演歌を敬遠
 さらに、好きな音楽のジャンルを愛好者に複数回答で挙げてもらったところ、ポップスが51.4%で最も多く、以下は演歌(36.0%)、クラシック(25.6%)、フォーク(22.4%)、ロック(17.8%)、民謡(17.3%)、ジャズ(15.9%)、シャンソン(5.8%)などの順。
 職業別では農林漁業で好き嫌いが激しく、演歌で74.4%、民謡で51.3%の人が好きと答えたが、その他はポップス12.8%、フォーク7.7%、クラシックとロックがともに5.1%など、7職種中いずれも最低の比率となった。逆に事務職は演歌が18.2%、民謡が6.9%といずれも7職種中最低だった。

3.6割強が「CD」で聴く
 調査では、「自宅で何を使って音楽を聴くか」も愛好者に聞いた(複数回答)。ここでいう「音楽」は「自身で録音・録画したものは除く」と規定した。最も多かった回答はCD(コンパクトディスク)の61.8%で6割を超えた。以下、テレビ(54.6%)が5割を超え、ラジオ(32.6%)、カセットテープ(24.7%)、ビデオテープ・DVD(11.3%)、パソコン(6.2%)、レコード(4.4%)、LD(レーザーディスク)(2.3%)と続いた。(図1)
 地域別に見ると、都会ほど割合が高いのはCD,パソコン、レコードで、逆に割合が低いのはテレビとラジオ。職業別では、農林漁業でテレビが79.5%、LDが5.1%とともに7職種中最高の割合だったのに対し、CD15.4%、ビデオテープ・DVDとレコードがともに2.6%、パソコンがゼロとそれぞれ最低になったのが目立つ。またパソコンが事務職で10.0%、レコードが自由業・管理職で同じく10.0%と、ともに唯一の2ケタ台となったのも特色。パソコンについては仕事柄、レコードは趣味・道楽といえるかもしれない。
 「1日に音楽(音楽番組を含む)を聴く時間は平均でどれくらいか?」に対しては、「10分未満」は12.0%、「10分以上30分未満」は32.5%、「30分以上1時間未満」は29.6%、「1時間以上2時間未満」10.6%、「2時間以上」8.7%などだった。  (了)

図1