中央調査報

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■「中央調査報(No.559)」より

 2004年「パーソナル先端商品の利用状況」結果概要

 当社が例年実施している、「パーソナル先端商品の利用状況」調査について、今年の結果を報告します。調査の概要は以下のとおりです。

1.調査地域 全 国
2.調査対象 20歳以上の男女個人
3.標本数 2,000人
4.調査方法 面接聴取法
5.調査時期 2004年2月11日~15日
6.有効回収数 1,383人(回収率 69.2%)
7.調査内容 (1)各種商品の利用率(「あなた自身が持っているもの、または家にあって自分で使っているもの」)
(2)各種商品の利用意向率(「これから先、新たに利用したいもの」)
8.調査品目 (1)BS放送受信装置(2)BSデジタル放送受信装置(3)CS放送受信装置(4)地上デジタル放送受信装置(5)ケーブルテレビ(6)液晶テレビ(7)プラズマテレビ(8)ビデオカメラ(9)デジタルカメラ(10)MDプレーヤー(11)DVDプレーヤー(12)ハードディスクレコーダー(13)携帯メモリーオーディオ(14)家庭用ゲーム機(15)デスクトップ型パソコン(16)ノート/ブック型パソコン(B5判以上)(17)ミニノートパソコン(B5判未満)(18)パソコン用プリンター(19)スキャナー(20)携帯型情報端末(PDA)(21)インターネットの利用(22)ブロードバンド回線の利用(23)インターネット電話(IP電話)(24)携帯電話(カメラ付き)(25)携帯電話(カメラ付きを除く)(26)PHS(27)家庭用ファクシミリ
※注 (4)と(23)については今回新設された品目


1.パソコンと周辺機器
 昨年は小幅な伸びにとどまったパソコンとその周辺機器の利用率だが、今回は大きな伸びを示した。デスクトップ型パソコンは31.0%(昨年比2.1ポイント増)、ノート型パソコンは24.6%(5.5ポイント増)、ミニノートパソコンは7.6%(2.1ポイント増)であり、これらを合わせたパソコン(計)の利用率は49.3%と5割を超える勢いである。その伸び率(7.9ポイント増)は2000年の調査(前年比8.6ポイント増)に次ぐ高いものである(図1)。
 パソコン(計)の利用率を年代別にみると(図2)、20~40代での利用率はいずれも6割を大きく超え、30代では71.3%に達した。また、50代以上の年代の利用率も前回と比べて伸びている。今後の利用意向率は横ばいから低下の方向にあるが、20~40代では16.0~22.2%と、依然高い水準を示している。

図1
図2

 その周辺機器等の利用率をみると、パソコン用プリンターが8.6ポイント増で40.1%と、4割台に乗った。スキャナーは13.4%(2.2ポイント増)と小幅ながらも伸びている。デジタルカメラも昨年以上の伸びで(7.9ポイント増)、33.9%の利用率となり、特に20~40代では46.5~47.0%と高水準にある(図3)。インターネットの利用は昨年比4.4ポイント増の34.6%となった。また、一昨年から調査を開始したブロードバンド回線(ADSL、光ファイバー、CATV、無線LANなど)の利用率は、昨年ほどではないものの4.9ポイント増でさらに伸び、17.2%となった(図4、図5)。今回新設されたインターネット電話(IP電話)の利用率は4.6%であった(図6)。ブロードバンド回線と関連が深いため、その動向と合わせて観察する必要がある。
 利用意向率をみると、パソコン(計)は昨年より比率はさらに低下し13.1%となった。デジタルカメラは利用率が高まる一方で、利用意向率は7.8%と低下傾向にある。性能が向上したカメラ付き携帯電話が“手軽に使えるデジカメ”として爆発的に普及しており、これに対抗し、どの程度まで伸びをみせるのか期待される。インターネット、ブロードバンド回線の利用意向率はそれぞれ5.6%、5.7%と低下しており、今後しばらくは高い水準を維持しつつも、横ばいで推移するのではないかと思われる。

図3
図4
図5-6

2.携帯電話、ファクシミリ
 携帯電話、家庭用ファクシミリの利用率をみると、携帯電話は67.9%、ファクシミリは36.7%と、2000年以降横ばいから微増傾向だったが、再び利用率の高まりをみせた(図7、図8)。利用意向率については、家庭用ファクシミリは2.2%と低空飛行を続けている。一方で携帯電話は7.0%と昨年とほぼ同水準を保っているが、20~40代ではすでに利用率が87.5~94.1%と大多数に普及しており、大幅な新規の利用増は見込めないであろう。
 携帯電話のうち、カメラ付き機とカメラ付きを除く機の利用率の比は40.0%:34.4%で、カメラ付き機は昨年に比べ倍増した。20代の若者を中心にした利用者とみられるが、そのほかの世代も昨年に比べ倍以上の伸びである。PHSの利用率は3.3%で、昨年よりは改善したが、縮小傾向に歯止めはかかっていない。

図7
図7


3.AV関連機器、その他の利用状況
 BS放送受信装置の利用率は33.1%(1.2ポイント減)で、利用意向率とともにほぼ横ばいから低下の傾向がみられる。BSデジタル受信装置は5.4%(0.9ポイント増)、CS放送受信装置は6.9%(1.2ポイント増)と、ともに微増だった。BSデジタル受信装置は、高い利用意向率を示しているが、実際に利用するまでにはいたらず、それほど伸びていない(図9~11)。今回新設された地上デジタル放送受信装置の利用率は2.6%と低いが、利用意向率は6.2%と高く、今後注目されるところである。微増傾向が続いていたケーブルテレビの利用率は大幅に増加(6.8ポイント増)して21.0%と2割台に乗った(図12)。

図9
図10-11
図12

 ビデオカメラの利用率は3.3ポイント増の34.6%となり、利用意向率もわずかながら伸びている。MDプレーヤーは微増で、3割近い利用率(29.6%)は変わらないが、20代での利用率は低下した。パソコンのDVDドライブやゲーム機の機能も含めたDVDプレーヤーの利用率は昨年より8.8ポイントも増えて34.5%となったが、利用意向率は5.3%と次第に低下している。昨年新設されたハードディスクレコーダーの利用率は4.2%だった(図13~16)。(調査部 滝澤貴彦)▲

図13
図14-16