中央調査報

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■「中央調査報(No.583)」より

 ■ ペットに関する意識調査


 時事通信社では、2006年3月9日から12日までの4日間に、無作為に選んだ全国20歳以上の男女2,000人を対象に、「ペットに関する意識調査」を行った。この調査は、調査員による面接聴取法により実施し、1,341人(回収率67.1%)から回答を得た。なお、この調査は、同じ設計で1999年5月、2000年9月、2002年2月、2005年3月にも実施しており、今回で5回目となる。


1.ペットを飼っているか
 ペットを飼っているかを全員に聞いたところ、「飼っている」は33.0%、「以前は飼っていたが現在は飼っていない」は32.1%であった。「飼っている」は第1回の1999年調査の43.0%をピークに減少傾向を示しており、今回調査は1999年調査に比べると、10ポイント減少している。
 都市規模別では、「飼っている」(大都市28.2%、その他の市34.3%、郡・町村35.4%)は都市規模が小さくなるほど高くなっている。
 年齢別では、「飼っている」は20歳代と50歳代では3割台(37.8%、33.3%)、30歳代と60歳以上では2割台(28.4%、27.9%)に留まっているのに対し、40歳代では4割強(44.0%)と高い。

図表1


2.飼っているペットの種類
 ペットを「飼っている」と答えた人にどんなペットか聞いたところ、「犬」は56.4%(前回57.7%)と半数を占め、「猫」28.2%(同24.7%)、「魚類」21.9%(同23.5%)などが続く。
 都市規模別では、「犬」は都市規模が小さくなるにつれて高く、郡・町村では62.5%と高い。「猫」は大都市(33.0%)で最も高い。また、「魚類」は郡・町村(13.8%)に比べ、都市部(大都市22.0%、その他の市24.3%)で高くなっている。
 年齢別に見ると、「犬」は50歳代(62.9%)が他の年齢層に比べ高く、「猫」は20歳代(42.9%)が最も高い。一方、「魚類」は20歳代と60歳以上が1割台(16.1%、12.4%)と低いのに対して、30歳代は4割強(41.8%)と高くなっており、各年代によって飼っているペットの種類に違いがあることがうかがえる。

図表2


3.ペットを飼う理由
 ペットを飼っている理由を聞いたところ、全体では「かわいい」は46.5%(前回41.9%)と最も高く、「動物が好き」38.4%(同43.5%)、「子供や孫が欲しがった」21.7%(同22.7%)、「拾った、もらった」17.6%(同19.0%)、「心の支えになる」15.3%(同19.2%)などが続いている。
 都市規模別では、「かわいい」は大都市と郡・町村で5割強(53.8%、52.5%)、その他の市で4割強(42.3%)を占め、第1位の理由となっている。性別で見ても、男女共に「かわいい」は1位の理由となっている。
 年代別に見ると、「かわいい」は各年代で高いが、とりわけ20歳代(55.4%)で高い。「拾った、もらった」、「心の支えになる」は20歳代で2割(25.0%、21.4%)を超え、他の年代に比べ高くなっている。

図表3

4.ペットを飼っていて困ること
 ペットを飼っていて困ることは、「旅行がしにくい」は他の項目に比べ、とりわけ高く33.9%(前回32.0%)、次いで「面倒を見るのが大変」は15.1%(同17.0%)、「病気等の治療代が高い」は14.9%(同15.4%)となっている。
 都市規模別に見ても、「旅行がしにくい」は各地域で3割強を占め、最も高い。
 性別に見ると、男女共に「旅行がしにくい」(32.0%、35.7%)が最も高いが、男性では「面倒を見るのが大変」(18.3%)、女性では「病気等の治療代が高い」(17.0%)が次いで高くなっている。
 年代別に見ると、各年代で「旅行がしにくい」は他の項目に比べ高く、特に50歳代は4割強(41.2%)と高い。

図表4


5.よそのペットから迷惑を受けたことがあるか
 よそのペットから迷惑を受けたことがあるかどうか聞いたところ、全体では「ある」(44.6%)は05年調査に比べ4ポイント増、「ない」(54.7%)は5ポイント減となった。
 年代別に見ると、「ある」は20歳代では3割台(35.8%)に留まっているが、その他の年齢層では4割台(44.1%~46.1%)となっている。
 次に、よそのペットから迷惑を受けたことがあると答えた人にどんな迷惑を受けたか聞いたところ、「飼い主がふんを放置した」は60.0%(前回61.8%)と高く、次いで「鳴き声がうるさい」37.5%(同39.5%)、「庭や家の中に入ってきた」27.8%(同27.7%)となっている。
 都市規模別に見ると、「飼い主がふんを放置した」は大都市63.4%、その他の市59.8%、郡・町村56.1%と、都市規模が大きくなるにつれて高くなっている。
 年代別では、30歳以上の各年齢層で「飼い主がふんを放置した」は6割台(60.5%~66.3%)と高いのに対し、20歳代は「鳴き声がうるさい」(52.8%)が他の年齢層に比べて高く、1位となっている。
 ペットを飼っている人は年々減少傾向にあるが、各年代で犬や猫の代表的な動物が好まれ続けている。しかし一方でよそのペットから迷惑を受けたことがある人は前回調査と比べ増加しており、責任を持って飼うことが今後求められるのではないのだろうか。

図表5
図表6

(調査部 平澤さやか)