中央調査報

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■「中央調査報(No.587)」より

 「ギャンブルに関する世論調査」結果の概要


 国民はどんなギャンブルを、どのくらいしているのか―時事通信社では、2006年7月7日~10日にかけて「ギャンブルに関する世論調査」を実施した。調査は全国20歳以上の男女2,000人を対象に、面接聴取法で実施され、有効回収数は1,379だった。ギャンブルに該当するものとして競馬、競輪、オートレース、宝くじ、パチンコ・パチスロ、サッカーくじに限定して質問した。


1.ギャンブルをしたことがあるか

 この1年間にギャンブルを一つでもしたことがあるか、と質問したところ、「ある」と答えた人は37.2%、「以前はしたが、この1年間にはしていない」と答えた人は21.0%で、ギャンブル経験がある人は合計で58.2%、「今までまったくしたことがない」という人は41.6%だった。男性では、「この1年間にしたことがある」割合は46.6%、女性では28.3%、反対に「今までにまったくしたことがない」は男性で31.2%、女性で51.3%だった。年代別では、30~50歳代でギャンブル経験者の割合が63~67%と高くなっている。


2.どんなギャンブルをしたか

 ギャンブルをしたことがあると答えた58.2%の人に、どんなギャンブルをしたかをたずねた。最も多かったのは「宝くじ」で75.1%、次に「パチンコ・パチスロ」が39.7%、続いて「競馬」の15.7%だった(図1)。「宝くじ」は男性より女性のほうが買っているようだが、その他のギャンブルはのきなみ男性が主に行っている結果となった。都市規模別にみると、都市部では「競馬」「宝くじ」、郡部では「パチンコ・パチスロ」「競輪」をしている人が比較的多い(図2)。

図1・図2



3.1回あたりの使用金額

 1回あたりに使う(使った)金額をたずねたところ、(図3)のように「3千円未満」が最も多かった。男女別では、女性のうち57.0%が3千円未満と答えている。男性は「3千円未満」は29.7%と約3割で、「1万円未満」(30.6%)、「3万円未満」(15.7%)など高額な投資をする人も多く見られる。ブロック別では、北海道、甲信越、中国地方で5千円以上使っている人が半数を超えている。反対に京浜、北陸地方では2割前後と少ない。

図3


4.ギャンブルをする理由

 ギャンブルをする(した)理由を複数回答で挙げてもらった。トップは「配当金(当選金)や景品が魅力」で43.5%、次は「気分転換」で36.5%、三番目は「当たった(勝った)ときのそう快感が魅力」で30.4%だった(図4)。年齢別では、20歳代で「気分転換」の理由が第一となっている。30歳代以上では、「配当金(当選金)や景品」が第一の理由となっている(60歳以上では「気分転換」と同率)。40歳代・50歳代では「当たった(勝った)ときのそう快感」も比較的多く、ギャンブル経験者も多いこの年代は、積極的にギャンブルのエッセンスを楽しんでいるようだ。

図4


5.ギャンブルをしない理由

 反対に、「ギャンブルをしたことがない」人に、ギャンブルをしない理由を複数回答でたずねた。回答が多かった順に、「お金が無駄になる」が49.6%、「お金に余裕がない」が27.6%、「当たる(勝つ)確率が低い」が23.6%であった。他の理由では、「時間(ひま)がない」13.2%、「一度やるとのめりこみそう」12.3%、「ギャンブルは社会悪」9.9%、「ギャンブルは男の遊び」1.9%となった。 ギャンブルをしない人は、お金をかけて得るよりも失うほうが大きいというリスク意識が大きいために、手を出さない傾向があるといえる。どの属性をみてもギャンブルをしない理由の傾向に大きな差はなかったが、自由業・管理職では「お金が無駄」「お金に余裕がない」の答えは他の職業よりかなり少なかった。20歳代で「一度やるとのめりこみそう」という答えが26.9%と、他の年代で13%以下なのと比べて多かった。
 以上、「ギャンブルに関する世論調査」の結果を紹介した。同じテーマで毎年実施しており、前回は昨年9月に実施した。本稿では前回と今回の結果を比べることはしなかったが、不況、人口減少、格差社会といわれる中、ギャンブル市場はどうなっていくのだろうか。機会があれば視点をかえて比較してみたい。

(管理部 山地 彩香)