内閣府大臣官房政府広報室では、昭和27年度より毎年度、世論(意識)調査の実施状況について国の行政機関、地方公共団体、大学、報道機関、一般企業、各種団体等に照会し、その回答に基づいて『全国世論調査の現況』を編集している。 1.都道府県の世論調査 ![]() 次に、世論調査実施の内容についてみてみる。まず、調査主題であるが、平成17年度において最も多かったものは「地方自治行政問題」46件。次いで、「教育・青少年・子育て」25件、「災害・事故・環境(公害)」12件、「社会保障・福祉・ボランティア活動」10件となっている。 表2は最近5年間の調査主題の推移をまとめたものである。前年度と比べ、どのような調査主題が減少しているのかをみてみると、「社会保障・福祉・ボランティア活動」が 25件から 10件に、「女性・共同参画」が 20件から 8件にと、この2つの調査主題の減少が目に付く。他には、「地方自治行政問題」「農林漁業問題(含山村)」「保険・医療・健康」「余暇・スポーツ・文化など」「消費動向」が 5件ほど減少している。他方、増加している調査主題だが、大きく増えているものはなく、強いて挙げるとすれば、「都市問題(含住宅・宅地)」「教育・青少年・子育て」「生活意識(含社会意識)」「労働・勤労者の意識」「防犯・治安・人権」「地域社会(コミュニティ)」等が数件増えている程度である。 ![]() 次に、調査方法であるが、表3は最近5年間の調査方法の推移をまとめたものである。「郵送法」が 60%ほどを占めており、調査方法には大きな変化はみられない。 ![]() 2.市・区の世論調査 ![]() 次に、世論調査実施の内容についてみてみる。まず、調査主題であるが、平成17年度において最も多かったものは「地方自治行政問題」252 件。次いで、「社会保障・福祉・ボランティア活動」102件、「女性・共同参画」「都市問題(含住宅・宅地)」69件、「保険・医療・健康」58件、「災害・事故・環境(公害)」「交通・通信・情報」50件となっている。表5は最近5年間の調査主題の推移をまとめたものである。前年度と比べ、どのような調査主題が増加しているのかをみてみると、「地方自治行政問題」が 185件から 252件に、「女性・共同参画」が 37件から 69件に、「都市問題(含住宅・宅地)」が 32件から 69件にと、この3つの調査主題の増加が目に付く。他には、「保険・医療・健康」「災害・事故・環境(公害)」「交通・通信・情報」「余暇・スポーツ・文化など」が増加している。他方、減少している調査主題だが、「社会保障・福祉・ボランティア活動」が 211件から 102件へと、半分以下になっているのが目に付く。 ![]() また、最近5年間の調査主題として最も多かったものは、その年度ごとによって異なっている。平成13年度は「社会保障・福祉・ボランティア活動」274件、14年度は「地方自治行政問題」179件、15年度は「教育・青少年・子育て」227 件、16 年度は「社会保障・福祉・ボランティア活動」211 件、17年度は「地方自治行政問題」252件となっている。 次に、調査方法であるが、表6は最近5年間の調査方法の推移をまとめたものである。「郵送法」がここ 2、3年で80%ほどを占めるようになってきた。その一方で、「個別面接聴取法」は減少の傾向で、17年度にいたっては件数としては一桁になってしまい、その割合は 1%になってしまった。 ![]() 3.平均回収率 ![]() 政府広報室が照会した対象機関(国の行政機関、地方公共団体、大学、報道機関、一般企業、各種団体等)全体の平均回収率および調査方法別の平均回収率をまとめたものが表8である。全体としての回収率は平成14年度以降、ほぼ横ばいであったが、平成17年度は 53.4%となっており、この5年間で 7%ほど低下している。調査方法別にみると、どの調査方法においても回収率は低下しているがなかでも「個別面接聴取法」の回収率は、この5年間で 10%ほど低下している。 ![]() 次に、抽出方法別に平均回収率の推移をまとめたものが表9である。抽出方法の中で約80%を占める「無作為抽出法」については、さらに調査方法別にもまとめた。抽出方法によっては回収率が上昇した年もあるが、「無作為抽出法」は僅かではあるものの年々低下しており平成17年度は 51.3%となっている。また、調査方法別にみると、表8と同様、どの調査方法においても回収率は低下しているが、なかでも「個別面接聴取法」の回収率は、この5年間で 8%ほど低下している。 ![]() 『全国世論調査の現況』では、有効回収数 500人以上で、回収率がある一定以上の調査については、母集団、標本数、回収率、調査方法、調査項目といった調査の概要を「主要世論調査一覧」として収録している。平成16年版までは回収率が 60%以上の調査を収録していたが平成17年版では 55%以上、平成18年版では 50%以上の調査を収録している。
(調査部 萩原 伸雄) |