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■「中央調査報(No.645)」より

 ■ 地球環境、エネルギー問題などに対する意識 
   ―時事通信社「くらしと環境に関する世論調査」(近畿2府4県・福井県調査)から―


 時事通信社は、2010年9月(*)に近畿2府4県および福井県に居住する満20歳以上の男女4,500人(近畿2府4県3,000人、福井県1,500人)を対象に、郵送法により「くらしと環境に関する世論調査」を実施、近畿2府4県-1,082人(回収率36%)、福井県-569人(同38%)から回答を得た。
 本稿では、地球温暖化やエネルギー問題への関心のほか、原子力発電に対する意識について、電力エネルギーの消費地である近畿2府4県と、原子力発電による電力エネルギーを供給する自治体を有する福井県の住民の意識を比較した。
 (*)本調査は東日本大震災以前に実施された調査である。

1.地球環境問題への関心度
  ~地球環境問題への関心度は近畿・福井とも6割を超える~

 世間一般の人々と比べての自分の地球環境問題への関心度は、近畿2府4県・福井県とも、「関心が高い」(かなり関心が高い+やや関心が高い)との回答が6割を超え、近畿2府4県で67%、福井県で61%であった。
 性別では、「関心が高い」は近畿2府4県・福井県とも女性より男性の方が高い。
 年齢別では、「関心が高い」は近畿2府4県では20代が、福井県では20代と30代がいずれも4割台と低くなっている。


図表1


2.地球温暖化問題の10年後の見通し
  ~「現状より深刻」が近畿・福井ともに過半数を占める~

 地球温暖化の問題が10年後どのようになっているかについて、近畿2府4県・福井県とも、「現状より深刻になっている」との回答が半数を超え、近畿2府4県で61%、福井県で58%であった。
 性別では、近畿2府4県・福井県とも男性より女性のほうが「現状より深刻になっている」が高い。
 年齢別では、近畿2府4県の20代と福井県の20代で「現状より深刻になっている」が7割を超えている。


図表2


3.エネルギー問題への関心度
  ~エネルギー問題に対する関心度は近畿・福井ともに高い~

 エネルギー問題に対する関心度は近畿2府4県・福井県とも高く、「関心がある」(大変関心がある+関心がある)との回答が、近畿2府4県で71%、福井県で69%である。
 性別では、近畿2府4県・福井県とも女性より男性のほうが「関心がある」が高い。
 年齢別では、近畿2府4県では50代と60歳以上、福井県では40代と50代および60歳以上で「関心がある」が7割に及んでいる。


図表3


4.現在の日本の電力を担っていると思うエネルギー源
  ~ 1位「原子力」、2位「石油」、3位「水力」~

 現在の日本の電力を担っていると思うエネルギー源は、「原子力」との回答が最も多く、近畿2府4県で47%、福井県で42%であった。
 次いで「石油」(近畿34%、福井39%)、「水力」(近畿5%、福井6%)と続く。
 性別では、近畿2府4県・福井県とも「石油」は、女性より男性のほうが高い。
 年齢別では、「原子力」は近畿2府4県では30代と40代で高く、福井県では60歳以上で高い。「石油」は、近畿2府4県では20代で高く、福井県では40代で高い。


図表4


図表5


5.10年後の日本の電力を担っていると思うエネルギー源
  ~ 1位「原子力」、2位「太陽光(大規模発電所での発電)、3位「太陽光(一般家庭での発電)」~

 10年後の日本の電力を担っていると思うエネルギー源は「原子力」との回答が最も多く、近畿2府4県は42%、福井県は51%と、福井県のほうが9ポイント高い。
 次いで「太陽光(大規模発電所での発電)」(近畿25%、福井18%)、「太陽光(一般住宅での発電)」(近畿7%、福井7%)と続く。
 性別では、近畿2府4県・福井県とも「原子力」は女性より男性のほうが15~16ポイント高い。
 年齢別では、「原子力」は、近畿2府4県では50代がやや高く、福井県では30代で6割を超えている。


図表6


図表7


6.原子力発電への関心度
  ~原子力発電への関心度は、福井が近畿を12ポイント上回り7割強~

 原子力発電への関心度は、「関心がある」(大変関心がある+関心がある)との回答が、近畿2府4県で66%、福井県で78%と、福井県の関心度が12ポイント高い。
 性別では、近畿2府4県・福井県とも「関心がある」は女性より男性のほうが高い。
 年齢別では、「関心がある」が近畿2府4県では60歳以上で8割近くある一方、20代では4割台と低くなっている。福井県では、30代を除くすべての年代で7割を超えている。


図表8



(注)(1)第1次抽出地点として、平成17年国勢調査時に設定された調査区を使用。(2)各層で1地点内の標本数が20前後となるよう地点数を決定し、等間隔抽出法で抽出。(3)各地点における対象者の抽出は、住民基本台帳から等間隔抽出法で抽出。
(注)集計方法は、地域別の母集団構成比に復元させるため、近畿地域2府4県は各府県別、福井県は嶺南地域と嶺北地域別に重み付け集計をした。

(大阪支社 天野 智子)